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OU研究データマネージメントエコシステム構築を目指した実験系研究データメタデータ管理の検証モデルシステム構築

2025.06.13
令和6年度 学際共創プロジェクト【人間総合デザイン部門】

OU研究データマネージメントエコシステム構築を目指した実験系研究データメタデータ管理の検証モデルシステム構築

研究代表者: 田主 英之(D3センター)
研究分担者: 伊達 進(D3センター)、古谷 浩志(コアファシリティ機構)
       春本 要(D3センター)、甲斐 尚人(D3センター)、細見 岳生(D3センター)


研究の背景

オープンサイエンスへの流れが加速する中で、研究データの流通、共有、公開および利活用が日常的に行われる時代が到来しています。しかしながら、現状ではそれを日常的に行うための手法や基盤整備が不十分であり、その確立が急務となっています。

D3センターでは、学内外で生み出される研究データを容易に集約し、センターが運用する計算・分析基盤で解析を行う他、学内の研究者間でデータ共有を可能にするデータ集約基盤「ONION(Osaka University Next-generation Infrastructure for Open Research and Open Innovation)」を試験的に運用しています。また、センターの共同研究部門の一つである高性能計算・データ分析融合基盤協働研究所では、学術研究者が産学や国際共同研究を通じ、新たな社会的価値を創出するための計算基盤・データ基盤構築に関する研究開発を進めています。

特に本研究所の研究データ管理チームでは、ONIONを活用したオープンサイエンス推進のため、学内のコアファシリティ機構との部局間連携を行っています。コアファシリティ機構は、ネットワークから隔離された共用分析機器からの計測データをNAS(ネットワーク接続ストレージ)に集約し、部局内でネットワークを介したデータ共有を可能にするシステムを開発し、学内全体に展開しています。

また、その測定データ集約・配信システムのNASとONIONをS3プロトコルで接続することで、学内研究者間での計測データ共有を可能にし、研究データ流通の効率化に貢献してきました。しかし、メタデータが付与されていない研究データは真正性の保証がなく、来歴が不明瞭です。研究データを集約したとしても、メタデータが不十分であれば利活用は困難です。

研究の目的

これまでに、学内データ基盤に集約される研究データの利活用を目的に、共用分析装置からの計測データにメタデータおよび固有識別子を付与し、ONIONまで流通させるコンセプトを構築しています。その際、メタデータの付与方法やONIONまでのデータ流通方法について技術的な検証も実施しています。本研究では、構築したコンセプトを「メタデータ管理システム」として実現するため、以下の研究課題に取り組みます:

  1. ・計測データへのメタデータおよび固有識別子付与手法の確立。
  2. ・メタデータの登録、検索および閲覧を扱うカタログサーバの構築。
  3. ・メタデータをカタログサーバに送信登録するモデルシステムの確立。

このメタデータ管理システムは、共用機器で生成される計測データ全てに対して最低限必要なメタデータおよび固有識別子を付与し、研究者の負担軽減を図りながら収集・管理を可能にすることを目指しています。また、このモデルシステムの構築により、FAIR原則(Findability:検索可能性、Accessibility:アクセス可能性)にもとづく計測データの利活用促進を狙います。

本年度の成果について、詳しくは活動報告書(PDF)をご覧ください。