「データ駆動」の環で
学問と社会の未来を拓く
大阪大学は、教育、研究、経営の多方面にわたり DX(デジタルトランスフォーメーション) を展開することでデータを活用して、ICT を用いてさまざまな社会課題を解決しようとする「データ駆動型大学」を目指しております。
そして、データ駆動型大学の実現へのこの取組みを強力に推進するため、学内学外にわたる情報基盤の構築と運用を長年にわたり支えている「サイバーメディアセンター」(以下、CMC)と、データビリティによる新たな科学の方法、すなわちデータによる研究DXを探求する「データビリティフロンティア機構」(以下、IDS)とを核とした新しい組織「D3センター」(読み:ディースリーセンター。以下、本センター)を2024年10月1日に創設いたしました。
この D3 という文字には本センター設立の目的を示す「Digital design(情報をデータ化・使えるように)」、「Datability(高度かつ膨大なデータを解析・使いやすく)、「Decision intelligence(様々な意思決定を支援する)」の3つの思い・キーワードの頭文字が埋め込まれており、われわれの想定するミッションをまさに表した名称となっております。
まず、データの活用にはそもそも適切かつ膨大なデータ(ビッグデータ)の収集ないしは生成が必要になります。これが “Digital design” です。
次に、得たビッグデータを解析する必要があります。これが “Datability” です。
そして、データを解析して得られた情報を活かさねばなりません。これが “Decision intelligence” になります。
これらのすべてのプロセスが有効に機能し、かつ、滑らかに繋がることではじめて「データ駆動」が完成する、それがわれわれの考えるところです。
いまや時代は全学問どの分野においてもコンピューティングとデータの活用が必須であり、そのための環境のみならず、人材の育成もせねばなりません。そのためデータ駆動はまさにまったなしの状況となっており、われわれのミッションは大変に重要なものです。
これらのミッションを実現するために、2000年4月創立で「サイバー」の名にふさわしくスーパーコンピューティングやICTインフラの基盤などにおいて時代の最先端を切り拓いてきたCMCと、2016年4月創立の「データビリティ」の名を体現する、身の回りの社会生活から最先端科学まで広範な分野で生成されるビッグデータの利用促進を担ってきたIDSと、このふたつの組織を合従して連携する、15の研究部門、約70名の研究者を擁する組織として本センターを創設するに至ったものです。
そして、われわれ本センターは、この創設によりデータ生成・収集、データ解析、データ活用という、データ駆動のための一貫した連携の「環」とでもいうべき大きな枠組みの研究・開発・教育の体制を構築しました。これにより、データサイエンスに対する総合的な支援が可能となり、本学に限らず、学外においても研究・教育のデータによる発展を推進できるよう積極的に貢献していきます。
2024年10月1日 大阪大学D3センター長
降籏 大介