令和6年度 学際共創プロジェクト【デジタルヒューマニティ部門】
高等教育の国際化とデジタル化:
大学院留学生入試における全学包括的なデジタル支援体制のあり方を探る
研究代表者: LI Yan(国際機構)
研究分担者: 井ノ上 憲司(SLiCSセンター)、伊達 進(D3センター)

研究の背景
ここ数年、入試出願に関する志願者と教職員の事務負担を軽減することを目的として、高校や大学において、紙媒体による出願からオンライン出願への移行が進んでおります。しかし、個別の大学院専攻における限られた実践事例報告を除き、大学院や留学生の入学選考業務におけるデジタル支援に関する研究は、ほとんど行われていない状況です。
大学院課程は学士課程より専門性が高く、志願者の分野別適性を評価する必要があるため、選抜が細分化され部局単位での実施が求められております。日本の大学では「部局教授会自治」の原則に基づき、教育研究の運営が各部局に委ねられており、入試もその例外ではありません。そのため、日本の大学院入試は評価と運営において部局が主導する「二重部局主導体制」という特性を有しています。この体制により専門分野に適した評価が可能になる一方、全学的な支援体制の構築、特に入試業務の効率化を目的としたデジタル支援体制の整備が難しい状況になっています。
一方で、主要な留学生受入国ではオンライン出願が一般的になっており、デジタル技術を活用した全学的な支援が留学生の募集・選考において不可欠な要素となっています。選考手続きのペーパーレス化やオンラインプラットフォームの導入は、入試業務の効率化だけでなく、日本の高等教育機関における優秀な留学生を獲得するための重要な施策として位置づけられています。
研究の目的
本研究では、大学院留学生入学選考業務のデジタル化を目指し、二重部局主導体制のもとで大学院留学希望者への入学選考業務におけるデジタル支援の実態を明らかにすることを目的としています。
本年度の成果について、詳しくは活動報告書(PDF)をご覧ください。