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大阪大学医学部に残された明治期の解剖図の図像分析とデジタル化 ―学術史料における保存修復とデータ記録の研究―

2025.10.10
令和6年度 学際共創プロジェクト【デジタルヒューマニティ部門】

大阪大学医学部に残された明治期の解剖図の図像分析とデジタル化
―学術史料における保存修復とデータ記録の研究―

研究代表者: 秋山 庸子(工学研究科)
研究分担者: 松下 康之(情報科学研究科)、山藤 浩明(情報科学研究科)
       山中 浩司(人間科学研究科)、高田 嘉宏(人文学研究科)


研究の背景

大阪大学銀杏会館内の医学史料室の収蔵庫に、大正時代に描かれた大型の解剖図(1.0m×1.2m)361枚が保管されていた。本研究は、西洋近代の解剖図と大阪大学の解剖図を比較し、大阪大学における当時の医学教育の実態および、明治期の関西画壇の史実を明らかにすることを目的とする。また、貴重な学術資料をデジタル化することで解剖図を精密撮影すること、そして、保存科学の観点から顔料の変色や経年劣化の研究を行い、今後の保存修復に適した条件を明らかにすることを目的とする。

今年度は、大阪大学の解剖図と他大学の解剖図を比較し、大阪帝国大学時代の解剖図の独自性と、関西圏の帝国大学との関連を調査した。これらの図像比較に関しては、コンピュータービジョン・ホモグラフィ変換による画像比較を実施した。さらに、保存科学の観点から、学術資料の保存修復のための顔料変色に関する研究を実行した。これらの解剖掛図の時代性を踏まえ、医学史、美術史、大学史、情報科学、材料科学の他分野領域から実施することを研究の目的とした。

研究の概要

本研究は、医学史資料館の大型解剖図を対象とし、以下の3項目について各研究科で分担して実施した。

  • ・解剖図の学術調査(旧制京都府立医学専門学校と旧大阪帝国大学の図像比較)/人文学研究科
  • ・デジタル保存と画像比較(コンピュータービジョン・ホモグラフィ変換による画像比較)/情報科学研究科
  • ・保存修復と文化財保存科学(天然顔料と人工顔料の劣化の比較)/工学研究科

本年度の成果について、詳しくは活動報告書(PDF)をご覧ください。