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カテゴリカル・データを用いる有機反応の考察と結果予測

2025.11.07
令和6年度 学際共創プロジェクト【機能デザイン部門】

カテゴリカル・データを用いる有機反応の考察と結果予測

研究代表者: 佐古 真(薬学研究科)
研究分担者: 鬼塚 真(情報科学研究科)、滝澤 忍(産業科学研究所)


研究の背景

多成分反応は、複数の出発物質が一工程で反応し、構造多様性に富んだ生成物を効率的に得る有機合成手法として注目されています。一方で、触媒や反応基質の組み合わせによって反応性や生成物の収率・選択性が大きく変化するため、最適な反応条件の決定には依然として経験則や試行錯誤に依存しているのが現状です。こうした背景のもと、近年では触媒や基質の構造と反応性の関係を定量的に解析し、最適条件を効率的に導き出す手法として機械学習の活用が注目されています。特に、多変数が複雑に関与する多成分反応においては、膨大な化学空間を効率よく探索する手段として有望です。

研究の目的

われわれのグループでは、独自に開発したビナフチル型キラルボリン酸触媒が三成分型Passerini反応に有効であることを見出しています。本研究では、触媒および基質の構造情報を体系的にデータベース化し、それらの特徴量に基づいて反応結果を予測する機械学習モデルの構築を目指します。三成分反応であるPasserini型反応においてデータベースとモデルを構築し、得られた知見を四成分反応であるUgi反応に転移学習として応用可能かを検証することで、多成分反応における効率的な条件探索と新規展開の加速を図ります。

本年度の成果について、詳しくは活動報告書(PDF)をご覧ください。