令和6年度 学際共創プロジェクト【システムデザイン部門・環境イノベーション】
ワイヤレスセンシングによるアナツバメの非接触型行動モニタリングシステムの構築
研究代表者: 内山 彰(情報科学研究科)
研究分担者: 工藤 寛樹(情報科学研究科)、太田 貴大(人間科学研究科)
Aswin Usup(University of Palangka Raya)
研究の背景
東南アジアでは、アナツバメの営巣を目的とした「ツバメビル」が建築され、巣を採取して販売する産業が存在しています。しかし、産卵後に巣を採取すると卵が廃棄されるなど、動物福祉(animal welfare)への配慮や持続性に欠ける問題が指摘されています。アナツバメは、産卵前に巣を採取するとすぐに再び営巣を行うことが知られているため、動物福祉への配慮と生産性を両立させる観点から、ツバメの営巣活動をモニタリングし、営巣活動終了後に迅速に巣を採取することが求められています。
しかし、ビル内は暗く、天井に張り巡らされた梁による死角が多いため、カメラを使用したモニタリングが困難です。そこで本研究では、動物福祉と生産性・持続性の両立を目指し、電波を用いたセンシングにより、アナツバメの営巣行動を認識する手法の構築を目指します。
研究の目的
Animal welfareと生産性の両立を実現するためには、営巣活動を終了した巣がどこにあるのかを把握することが重要です。そのためには、(1) 三次元空間における巣の位置推定、(2) 巣ごとの営巣活動終了の把握、の二点を実現する必要があります。食用として利用されるアナツバメの巣は、アナツバメが営巣活動時に分泌する特殊な唾液によって作られますが、乾燥することで電波による直接的な巣の形状センシングが困難になります。一方で、アナツバメの身体や動きによって電波に変動が生じると考えられます。アナツバメの位置および動きは、それぞれ巣の位置および営巣行動と関連付けることが可能であるため、本研究では、巣そのものを対象としたセンシングではなく、巣を作るアナツバメの位置や動きを対象にセンシングを行います。
本年度の成果について、詳しくは活動報告書(PDF)をご覧ください。