コンピュータ実験科学研究部門 Computer Assisted Science Research Division の宮武 勇登 准教授が、令和7年度科学技術分野の文部科学大臣表彰「若手科学者賞」を受賞しました。科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とするものです。その中でも「若手科学者賞」は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象とするもので、宮武准教授は、「構造保存数値解法の数学理論と情報学への応用に関する研究」における業績が認められ、同賞を受賞しました。
なお、表彰式は、令和7年4月15日に文部科学省にて行われる予定です。
【受賞者】
宮武 勇登 准教授(コンピュータ実験科学研究部門Computer Assisted Science Research Division)
【業績名】
構造保存数値解法の数学理論と情報学への応用に関する研究
【業績】
微分方程式の構造保存数値解法は、あらゆる応用分野で標準化しつつあるが、昨今期待が高まっている深層学習やデータ同化など情報学分野における応用では、単に与えられた方程式の数値解法を考えるのではなく、モデリングから実装までも俯瞰した研究が重要である。
氏は、従来の数値解析学の土台に立脚して新しいアルゴリズムを導出しその数学的解析を行うだけでなく、離散化誤差の事後的かつ定量的評価といった研究トピックの創出を世界に先駆けて行ってきている。
本研究成果は、地震学などの応用分野の研究者との連携による波及効果に加えて、高いコストをかけて必要以上の精度で数値計算することを避ける指針になるなど省エネルギーの観点でも高い効果があり、次世代の科学技術計算の重要な基盤となると期待される。