情報教育システム
授業担当教員の声

情報活用基礎について


長原 一(基礎工学研究科 システム創成)

1.はじめに

 情報活用基礎は、基礎工学部システム科学科においては、学部1年次第一セメスターにおいて開講しております。私は、昨年度より教官として担当しており、学生時代にもTAとしてこの授業を手伝ってきました。本文では、情報活用基礎の概要と授業と担当しての感想を述べさせて頂きます。

2.授業概要

 情報活用基礎の授業では、コンピュータによる情報の収集や整理、分析、伝達などの方法の基礎を習得し、情報を活用できるようになることを目的としている。講義内容の概略を下記に示す。学部1年次向けの授業と言うことからコンピュータ全く触ったことのない初心者も存在するため、ログインやログアウト、キーボードやマウスなどの基本操作からネットワークを用いる上でのモラルやセキュリティについて学びます。また、インターネットを活用したWebブラウザによる情報検索やホームページ作製やメールによる情報伝達、ワープロやLatexによる文書作成、ドローソフトによる図形描画、スプレッドシートによるデータ整理や表・グラフ作成について学び、レポートや論文作成に基礎を学びます。授業では、講義だけでなく十分な演習や課題により習得を行います。

3.授業を担当しての感想

 TA時代(およそ5年前)の経験では、基礎工学部という理系の学科ということもある、コンピュータに対する事前知識が豊富でプログラミングすらできる学生と、まったく触ったことすらない初心者が入り乱れているため講義や演習の進行度合やレベルの調整が難しかったように思います。しかし、最近では、近年の中学校や高校における情報教育の導入やPCの家庭への普及により、コンピュータの使用経験をもつ学生の増加や、逆にコンピュータを趣味としてきた学生(コンピュータマニア)が少なくなっているため、学生間の技術や知識格差は縮まっているように感じます。そのため、講義は従来より、やりやすくなっている様に感じます。また、2名のTAが授業をサポートしてくれているため、個々の学生の疑問や技術差をフォローできていると考えます。ほとんどの学生はマウスやキーボードなどの基本操作だけでなく、電子メールやWebブラウザによる情報検索、一部の学生ではワープロソフトによるレポート作成経験などから、中盤ぐらいまでの講義や課題はスムーズにこなせる様です。
 しかしながら、コンピュータによる情報収集やデータの再利用に慣れていることからくる問題も感じています。それは、授業において何度も注意しているにも係わらず。一部の学生の著作権の意識があまりに低いことです。本年度もレポートや図形描画、ホームページ作製などの課題を出していますが、Web上の文書や図版をそのままコピーして課題に用いている学生が少なからずいます。中には、一字一句変更せずにそのまま提出してくる図々しい学生すら存在します。ネットにより情報収集や発信が容易にでき便利になってきた現在、さらなる、情報や著作物の扱いを徹底して指導して行かなくてはならないと再認識しております。