TA (Teaching Assistant)の声
TAを担当しての全体的な所感
鳥居 稔(大学院人間科学研究科M2)
私は昨年に引き続き情報活用基礎のTAを担当していますが、昨年と大きく違う点は言うまでもなく建物の新しさです。私は授業中に行われる計3回のアンケート調査の分析を自分の研究テーマの一環として担当していますが、建物が新しくなったことで学ぶ側の感じ方が変わるのかということは興味深いところです。
私が情報活用基礎を受けていた頃のOSはNeXTSTEPでプレゼンテーションの授業もありませんでした。建物以外にも、学ぶ環境や内容は少しずつ変わっています。正確に言うと、進化しています。
授業内容のことについて言うと、少人数グループでのプレゼンテーション学習は自分の頃になかったということが少なからず影響しているかもしれませんが、聞く側がWeb上で評価を行うということを含めておもしろいアイデアだと思います。ただ、発表するテーマがどのグループも似たものなので聞く方の学生は退屈しているんじゃないかと心配になりました。私は少し、退屈でした。パソコンに関するテーマだけでなく、例えば政治や経済などの最近の重要な話題で、学生が知っておくべきことだけどあまり関心が払われていないテーマなどを含めてもおもしろいのではないかと思います。
情報活用基礎は私が学んでいたころより工夫のなされた授業になっていますが、今後も各先生方の御尽力があれば学生がより興味を持って学べる方向に柔軟に変化していくだろうと思います。
ユーザーを育てる必要性
吉木 啓介(大学院基礎工学研究科 機能創成専攻 D1)
私は広島大学から今年になって大阪大学に入ってきました。始め、CMCの非常に立派な設備に驚きましたが、使用するうちに3つの問題点に気づきました。
まず驚いたのは、ウェブページを外部に公開出来ないことです。また、研究室からメールを見ることも出来ません。外のネットワークに対して、非常に限られた部分しか開かれていませんでした。セキュリティーを保つために、ネットワークのすばらしさを殺してしまっています。確かに開放すると怖い部分はありますが、それはユーザーにある程度の知識と良識があれば大部分防げることではないでしょうか。まず、それを定着させることが、セキュリティーの第一歩だと思います。
また、CMCのOSの大部分がLinuxであることもユーザーを遠ざける原因になっています。Linuxも確かにすばらしいのですが、WindowsやMacのユーザーが多い現状では使いづらい人も多いのではないでしょうか。経済的な理由からLinuxになるのは仕方のないことかも知れません。しかし、少なくともLinux初心者に対して、授業以外でも何らかの教育活動を展開する必要があると思います。
最後に、アプリケーションをユーザーが使い切れていないという現状も残念です。今のシステムには個人ではちょっと手に入らない高度なツールもあります。しかし、これらの使用法は結構難しく、積極的に使い方をマスターする人たち以外は使用法どころかその存在すら知らずに終わるのではないのでしょうか。ユーザーの相互扶助に委ねるも有効ですが、その前に、ユーザーレベルの底上げも必要だと思います。
全体的に見て、CMCにはすばらしいものが眠っているにもかかわらず、それを使い切れていない状況にあると思います。今後の活性化のために、ユーザーの教育活動を展開していってほしいと思います。たとえば、広島大学ではSAの方が教室に常駐していて、分からないことはカウンターに行かなくても聞けるシステムになっていました。初心者にとって、熟練者というのはどんなマニュアルにも勝ります。また、どれだけの初心者を熟練者にするかでユーザーグループの機能が決まります。熟練者が初心者を教えるという仕組みを積極的に強化してゆくのも一つの方法だと思います。
日頃から意識して欲しいこと
松野 広一(大学院情報工学研究科バイオ情報工学 松田研 M1)
つい数年前までは「読み」「書き」「そろばん」という言葉が教育の基本として広く浸透していました。しかし、近年、事務機器のOA化、パソコンの爆発的な普及によって「読み」「書き」「パソコン」という言葉を聞く機会が増えています。これはパソコンを扱えない者がパソコンを扱える者が得ている利益を享受できない時代、いわゆる「デジタルディバイド(情報格差)」の問題を象徴しているのではないでしょうか。
私は今年度前期の情報活用基礎のTAを担当してきましたが、上記のような観点からも全ての学生にパソコンの教育をある程度時間を割いて教えることは非常に大事なことだと考えています。しかし、ただ単に「パソコンを扱える」だけで良いのでしょうか。私はそうは思いません。授業中、プログラムを書くにしろ、ホームページを作成するにしろ、分らないことがあればすぐに質問する学生が多いようです。(もちろん、初めのうちは仕方ないと思いますが)そのような問題に直面した時にこそ、一度目の前にあるパソコンを用いて調べることで解決を試みることが大切だと思います。そうすることで調べた情報を確実に身に付けることができ、自分で調べる癖も付きます。ただシステム側の問題もあり、TAを担当している時にサイバーメディアセンターの端末が不安定な動作をするのを何回か見ているので、その部分は改善して、より使い易くして欲しいと思います。
私は社会人ではありませんが社会に出ると、この「調べる」という能力が必要だとよく耳にします。この情報活用基礎の授業が、このような能力を身に付けるのに役立っていれば幸いです。これからも、「調べる」ことを意識して生活してくれることを期待しています。
SA (Student Advisor)の声
竹村 亮介(大学院基礎工学部システム科学科 機械科学コース3年)
私は情報教育用計算機システムのSA (student advisor)をやっています。システムを利用する上で困ったことや、問題が起ったときのサポートなどをしています。質問がきたときに、解決のために30分近く質問者を拘束してしまったりして、私の知識の足りなさを痛感したりします。
大学の端末を利用していて思うことは、利点として、大量の端末があり、それらがネットワークで結ばれているので、並列処理のプログラムを動かすのに素晴らしい環境だと思います。しかし個人環境でもネットワークの常時接続が当たり前になってしまったので、利点であるネットワークという点の魅力が乏しくなっています。個人的には大学の端末では、自宅の環境では到底できないような魅力を感じさせるものがあって欲しいです。確かに、個人で使うものと多くの人と共用して使う端末では
認識がちがっているとは思います。私の求めているものの方向性が間違っているのかも知れませんが、一意見として、これからも「使える道具」としての環境ではなく、「遊べるおもちゃ」としての環境を充実させていって欲しいです。
高橋 友彦(大学院理学研究科 数学専攻)
・情報教育計算機の問題
良く落ちること。メールサーバが落ちたり、ログアウトできなくなったりして生徒から質問を良く受ける。あとxlock等が日によって実行できたりできなかったりして、不安定なことも問題だと思う。いくら大規模ネットワークだとしても、落ちる頻度が多すぎ。
・情報教育計算機に思うこと
今年から高校でも情報教育が必修となるため、若い頃からPCを使うことが多くなるが、一番学んでもらいたいことは計算機の操作技術とネットモラルだと思う。計算機の操作方法を覚えるのはもちろんだが、最近はInternetを利用する事が大変多い。Internetは発展段階なので様々な問題を内包しているため、特にモラルについて教えるべきだと思う。
(最近まで高校で情報技術の授業をしていました。学生はInternetの使い方はすぐわかりますが、ネット上で何が良くて何が悪いのかがまだ判断できずに利用するため、ネットモラルの教育は大事だと思います)。
大角 祐介(大学院理学研究科物理学専攻 産業科学研究所
光・電子材料研究分野 D2)
私が初めてSAになったのは、今から3年ほど前。まだ学部3年生の頃です。その頃から今も残っているSAの方は数えるほどなので、既にベテラン(?)となるハズなのですが、未だに持ち込まれる質問が分からないこともしばしばあり、頭を悩ませています。
さて最近気になることは、質問に来られても、問題が解決すればそれでOKという態度の方が多いことです。まだ数年前には、問題を解決してあげると、「どうやってやったんですか?」と聞かれてそれを説明する、ということも多かったのですが。
世はITブームで、就職活動でもIT企業は大人気と聞きます。それなのに学生の計算機への興味はどんどん減っている。このギャップは何なんだろう? と結構真剣に考えたこともあります。
情報教育システム、特にLinuxマシンは取っつきにくいように見えますが、知れば知るほど面白い物でもあります。是非、SAに聞いて、SAを使い倒して、もう一歩進んで学んでみて下さい。