編集後記


 ご存知のように、2002年度から小中学校において情報化に対応した新学習指導要領が全面実施され、すべての児童にパソコンやインターネットの操作方法を学ばせる取り組みが始まっています。2003年度からは、高等学校の新学習指導要領が実施され、新一年生に対する必修の普通教科として「情報」が新設されました。「情報」では、さらに深い知識と技能を修得させることを目指し、情報処理の仕
組みやセキュリティ、モラル、著作権など、情報の科学的な理解を深め、情報活用の実践力を養うカリキュラムが組まれています。

 大阪大学が一年生の必修科目として設けている全学共通教育科目「情報活用基礎」の現在のカリキュラムの多くは、「情報」のそれと共通しています。2006年には「情報」を修得した新入生を迎えるわけですから、情報処理教育の担い手としてのサイバーメディアセンターの役割は、こうした時代の流れに対応してどんどん進化発展していく必要があります。例えば、「情報」との差別化のために本格的なプログラミング、高度なマルチメディアコンテンツ製作などの演習が重要視されるでしょうし、スーパーコンピュータなどの大学ならではの設備を活用したカリキュラムが求められるようになるかも知れません。

 一方、このように技術的に高度なカリキュラムを提供するだけでなく、「地域に生き世界に伸びる」開かれた大学として、中学高校などと連携したコンテンツの作成や発信なども求められるようになると考えられます。今号の特集「Web Based Training とオンライン学習」は、世の中の「ブロードバンドの急激な普及」と「教育のIT化」という2つの流れから見てもタイムリーな話題だと思います。また、今号では取り上げませんでしたが、講義用映像コンテンツの製作などに活用できる、バーチャルスタジオの整備も進んでいます。サイバーメディアセンターとして、「いつでもどこでも何度でも」学べるオンライン学習環境を、今後益々拡充していきたいと考えています。

(K.K.)


広報委員会委員
   吉田 勝行  (委員長、サイバーメディアセンター)
   前迫 孝憲  (大学院人間科学研究科)
   養老 真一  (大学院法学研究科)
   小郷 直言  (大学院経済学研究科)
   下條 真司  (サイバーメディアセンター)
   清川  清   (サイバーメディアセンター)
   時田恵一郎  (サイバーメディアセンター)
   馬場 健一  (サイバーメディアセンター)
   春本  要   (サイバーメディアセンター)