各研究部門の紹介と抱負

マルチメディア研究部門


 21世紀の理想的な外国語学習環境とは如何なるものか、否、外国語に留まらず、そもそも21世紀の学習環境の理想形とは如何なるものか、これらの問いに真摯に応えるべく、マルチメディア言語教育研究部門がサイバーメディアセンターに設置されることとなった。具体的には、CALL(コンピュータ支援語学学習)システムを2教室に設置(端末約120台)し、外国語学習環境の改善を図るとともに、マルチメディア教材開発の支援、ディスタンス・ラーニング(遠隔授業)の実験等、単に外国語の学習のみならず、ネットワークとマルチメディアを用いた学習形態・授業形態の理想形を追求している。
たとえば、学内のネットワークを利用して、必ずしも教室に赴くことなく、サーバにて提供されるマルチメディア語学教材に触れながら、時間の拘束を受けずに、自由に外国語の学習を進めることを可能とするディスタンス・ラーニング(遠隔学習)は、教師と学生が直に対面する対面授業の効率を飛躍的に高めることになろう。インターネットが整備され、高速性が保たれるようになれば、動画を中心とするマルチメディア教材を自宅にて楽しめる在宅学習も可能となろう。
 大学内部に留まらず、中・高生から社会人まで、生涯学習を真の意味で実現するには、こうしたディスタンス・ラーニングのノウハウが不可欠であり、当部門でも、さしあたり外国語の授業を具体例として、ソフト・ハード・システム管理に関わる研究を主として進めているが、克服されなければならない問題も山積している。たとえば、学習者の学習進度をどのように把握するか、また、そもそも試験などの評価手段はどう実現するか、試験データベース、成績データベースのWEBでの構築、等々、電子レベル・ネットワークレベル特有の問題が未解決のまま残っている。とはいえ、21世紀の新しい酒を盛る新しい器の創造は、既に各所で始まっており、とりわけ当部門の成果に大きな期待が寄せられている。