編集後記
2000年4月より情報処理教育センターは、学内共同教育研究施設の役割を引き継いで、大阪大学サイバーメディアセンター教育実習棟(豊中、吹田)という組織として新たな組織でのスタートとなった。名称を「広報」から種々議論して名称が「サイバーメディア・フォーラム」に替わった。編集に当って、情報処理教育計算機システムの利用者の方々から多数の声が寄せられたが、紙面の都合上掲載に無理があったが出来るだけ多くの声を掲載するようにした。
最近、世間で「IT」、「携帯電話、iモード」、「ISDN」、「eメイル」、「インターネット」とかの用語がTVコマーシャルとしてにぎやかしているように利用者の声でも同様な傾向が見られる。これも時代の流れかと思うが、「無言で会話できる」のも特徴で、メールに喜怒哀楽をつけるような記号をつけた送信したり、受信したメールを見て、一人で声を出して笑ったりするのもインターネットの社会の流れと考えると、逆に相手の顔も音声強弱の感情もわからずに「文字」での会話でコミュニケーションが成り立つと言うことから、人間社会のコミュニケーションの方法が変わりつつあるということに気づく。人間の道具であり、その道具を使いこなすのも人間であり、使いこなし方によっては色々な方向に向くということを理解することが重要である。使いこなす上で、利用者ID忘れ、パスワード忘れも深刻な問題(管理者側からの課題)である。学生が4年間利用する上で重要なID、パスワードでありそれを忘れると授業を受けれない、eメイルやWWWが利用できない大事なものであるという認識がないようだ。特にIDやパスワード忘れが多いのは時期的には休み明けである。重要性を認識する必要がある。YY大学ではパスワードを忘れると1週間待たされるケースもあるようだ。このID等を取得すれば大学を卒業してもほぼ一生使用できるとしたら、もっと大切にするだろうと思う。
利用者の声として、情報処理教育での問題よりも、利用できるパソコンが無く空くのを長時間に渡って待たないといけない、授業終了後の混雑、教育実習棟の入り口が狭いとか、施設面・環境面で改善するべき課題が多々あることに気づく。今後の改善に向けて努力が必要である。
なお、この「サイバーメディア・フォーラム」が創刊されたが、このニュースの内容は主に情報教育を中心とした内容で編集されていることを申し添え、多くの方々の協力を得て作成されています。ご協力いただいた教官並びに学生の皆様にお礼申し上げます。
(S・K)
初等中等教育に関する話題を二つ。
まずは設置の話。みなさんご存知のとおり、本年度から”ミレニアムプロジェクト「教育の情報化」”がスタートしています。2005年度末までに、小中学高校の「すべての普通教室にパソコン2台とプロジェクタ1台」が整備されます。(ドイツではこれを2001年度末までにやるそうですが)。そして「すべての授業」でこれを使うというわけです。あと10年もたたないうちに、プレゼンテーションを上手にする新入生が入ってくる時代になる?(参考:http://www.manabinet.gr.jp/it_ed.htmlこれは文部省学習情報課のページですが、文部省とは思えないような、かなり辛辣な表現がされています。)
二つ目は米国のボーディングスクール、つまり英才教育をやっている全寮制学校の話。あるスクールでは、携帯電話は一切禁止し、パソコン(もちろん一人1台は持っている)でアクセスさせる。教育もプログラミングをしっかりやる。「教育から簡単なものを排し、根本的なものをしっかり教える。」(石角莞爾著「アメリカのスーパーエリート教育」Japan
Times(2000.5)) 大阪大学における情報教育の構成を考えるときに、あなたならこれらの二つの話をどうお考えになりますか。(中西)