巻 頭 言

センター設立にあたって


サイバーメディアセンター長
西尾 章治郎

 今後予想される情報関連分野の急速な発展を考えるとき、全学的に関連分野の教育研究を統合的な立場から世界的にもリードし、さらに、21世紀に向けて高度情報化社会における大阪大学の将来ビジョンの先導的な役割を果たすための新たな機関の設置に対する要求には極めて強いものがありました。このような新たな機関を求める強い声を反映して、大阪大学では、旧大型計算機センター、旧情報処理教育センター、図書館(一部)を再構成し、大学院理学研究科、大学院工学研究科、大学院基礎工学研究科、言語文化部・大学院言語文化研究科などをはじめとする学内の各部局からの協力によりサイバーメディアセンターを設立しました。
 本センターは、次世代の情報基盤技術の研究・開発と整備を行い、学内の研究組織との連携により、先端的研究成果を求め、最先端の情報処理技術基盤の教育と普及を行う中核的拠点の役割を果たしていきます。また、本センターは、大阪大学における情報技術(IT)の基盤をより強固なものにし、その有効利用を促進するために大きな役割を果たすものとして期待されています。学内的には、ディジタルコンテンツから、情報メディア(データ)そのもの、ハードウェア、ソフトウェア、通信メディアなどの多様なメディアを基盤とした、新しい形態での人間の知的活動を促進する、すなわち、新たな思索、発見、創造を促し、知的活動の大規模化、グローバル化を促すサイバースペースあるいはサイバーソサイエティをキャンパス内に構築することを目指します。学外的には、全国共同利用施設として、その技術を同地域および全国の大学に普及させ、保有する計算およびネットワークソースを提供していくという大きな役割をもっています。
 具体的には、本センターは、先端科学研究支援、高度教育支援・情報技術普及、情報発信、研究開発の四つの大きな機能を持ち、そのうち研究開発は、設置された次の7つの研究部門で協力に推し進めていきます。
  • 情報メディア教育研究部門
  • 大規模計算科学研究部門
  • サイバーコミュニティ研究部門
  • 応用情報システム研究部門
  • マルチメディア言語教育研究部門
  • コンピュータ実験科学研究部門
  • 先端ネットワーク環境研究部門
 このようなサイバーメディアセンターに課せられた役割を果たしていくことにより大阪大学の全ての教職員および学生、国内外の利用者、共同研究者、さらにマルチメディアコンテンツを閲覧する一般市民に至るまで、本センターが提供するサービス機能を何らかの形で有効に享受できるようなコミュニティの創出に寄与するものと確信しています。