研究部門の業績
サイバーコミュニティ研究部門
Cybercommunity Division
1.部門スタッフ
教授 吉田 勝行
略歴:1964年3月大阪大学工学部構築工学科卒業、同年4月大阪府立大学助手工学部経営工学科、1966年12月大阪大学助手工学部建築工学科、1970年10月大阪大学講師教養部図学科、1986年8月同助教授、1994年3月同教授、1994年4月大阪大学教授工学部建築工学科、1998年4月大阪大学教授大学院工学研究科建築工学専攻、2000年4月大阪大学教授サイバーメディアセンターサイバーコミュニティ研究部門。日本図学会、日本建築学会、ISGG、人工知能学会、日本ディスタンスラーニング学会、日本工学教育協会各会員。
助教授 阿部 浩和
略歴:1983年3月大阪大学工学部建築工学科卒業、同年4月株)竹中工務店入社、1996年4月株)竹中工務店設計部主任、1998年4月株)竹中工務店 設計部課長代理、1998年4月大阪大学全学共通教育機構非常勤講師(兼務)、2002年4月大阪大学講師サイバーメディアセンターサイバーコミュニティ研究部門、2003年10月大阪大学助教授サイバーメディアセンターサイバーコミュニティ研究部門、日本図学会、日本建築学会、ISGG各会員。
助手 寺田 努
略歴:1997年3月大阪大学工学部情報システム工学科卒業。1999年3月大阪大学大学院工学研究科情報システム工学専攻博士前期課程修了。2000年6月大阪大学大学院工学研究科情報システム工学専攻博士後期課程退学。2000年6月大阪大学助手サイバーメディアセンターサイバーコミュニティ研究部門。情報処理学会、電子情報通信学会各会員。
2. 教育および教育支援業績
本研究部門の教育に係わる主な活動を、以下に列記する。
全学共通教育機構で開講する専門基礎教育科目「図学B-Ⅰ」、「図学B-Ⅱ」、「図学実習B-Ⅰ」、「図学実習B-Ⅱ」(阿部・吉田)、主題別教育科目「景観論」、基礎セミナー「パソコンによるコンピュータ・グラフィックス入門」を担当した(吉田)。
工学部地球総合工学科建築工学で開講する「建築設計第5部」を分担した(阿部)。
工学研究科建築工学専攻で開講する「建築形態工学」、「建築形態工学演習Ⅰ」、「建築空間生理学」、「建築形態工学特論」を担当すると共に、「建築工学特別講義Ⅰ」、「建築工学ゼミナールⅠ」、「建築工学ゼミナールⅡ」を分担した(吉田)。
全学共通教育機構体験的課題追求型教育科目構築プロジェクトの代表者の一人として、計画案の取り纏めを行うと共に、同プロジェクトの一環として特別科目「マルチメディア時代の図学」を体験的課題追求型教育科目構築プロジェクトにおける体験的課題追求型授業として第1セメスターに、また専門基礎教育科目「図学実習B-Ⅱ」を体験的課題追求型教育科目構築プロジェクトにおける体験的授業として第2セメスターにそれぞれ実施すると共に、具体的授業の結果報告を取り纏めるWGの代表者を務めた(吉田)。
スペースコラボレーションシステム(SCS)の大阪大学内VSAT局大阪3の運営責任者を務めると共に、全学共通教育機構が実施するSCSを用いた授業「ボランティア論」について、VSAT局の操作支援を行った(吉田)。
(1) 2003年度・大阪大学全学共通教育機構公式ホームページを作成、運用を行った(吉田・阿部)。
全学共通教育機構教務委員会委員および同教務委員会予算施設専門委員会委員長を務めた(吉田)。
3. 研究概要:高度情報化技術に支援されるコミュニティ形態の構成
本研究部門は、近年の状況下における高度情報化技術に支援されるコミュニティ形態の構成について考究し、我が国のみでなく、アジア各地の建築や都市環境を、形態にかかわる課題として捉え、形態構成と視覚化について高度情報処理技術を適用した教育研究を行い、サイバーコミュニティのあり得る姿を解き明かして行くことを研究目的とする。そうした目的を達成するため、本研究部門では、現在以下の研究課題に取り組んでいる。
課題1: SCS遠隔教育の企画と運用
SCSは、Space Collaboration Systemの略で、通信衛星を利用して大学間を結ぶ先進的な情報通信ネットワークの名称である。わが国の高等教育を、来るべきマルチメディア社会に対応できるように整備して行く計画の一環として設置されることになり、1996年10月から試験運用が開始され、さらにその結果を踏まえ、1997年4月からは本格運用が始められている。このシステムの端末が設置された講義室をVSAT(Very Small Aperture Terminal)局と呼ぶが、VSAT局間では互いに映像や音声を双方向にリアルタイムで交換できるので、複数のそうした局どうしを結んで講義や研究会、会議を行うといった使い方が可能である。
当研究部門では1996年から北海道大学、東京大学、名古屋大学間をSCSで結び、一般図形科学を内容とする共同講義を実施してきており、2003年度からは体験的課題追求型授業として受講生が実際にSCS機器を使って互いにコラボレーションを行う授業形式を取り入れている。当研究部門ではこうした経験を踏まえ、今後高速LANとSCSを組み合わせた遠隔教育のノウハウや遠隔研修システムを構成するとともに、それに見合うコースウエアの開発を進めていく。
課題2: 建築および建築群の構成に関する研究
ひと纏まりのコミュニティを収容する建物ないし建物群の形態は、設計条件を念頭に置きつつ構成した初期形態を手がかりに、多様な要求が満たされているかどうかを多角的にチェックしては形態を練り直す過程を繰り返す中で見出されてゆく。こうした過程の積み重ねは、従来図面と模型を用いて行われるのが通例であるが、計算機システムの発達により、CAD、および3D-CG、シミュレーション等が実用の域に達し、またその結果をLAN等を介して容易に交換できるため、それらを統合した効率のよい建築設計の形態が求められている。本研究部門では、現実の建築設計過程をシステムとして捉え直すべく詳細に解析すると共に、それを元に高度情報化技術に支援される建築設計過程の構成を考究する。
課題3: 建築形態構成過程における建築主と設計者との合意形成の的確化に関する研究
サイバーコミュニティを収容するハードウェアとしての都市環境や建築群の構築には、高度化、専門化した知識が必要となり、これまで設計者に全てを任せることができた時代は終わり、包括的、統合的なプロジェクトマネジメントが不可欠になってきている。また一方で、公的規制の緩和に伴い、企業の自己責任原則の強化とアカウンタビリティの必要性が指摘されてきている。
本研究部門は、このような観点から、建築プロジェクトの企画から設計、施工にいたるプロセスをサイバーコミュニティーの形態構成過程と捉え、設計マネジメントの現状をクライアントとのかかわりの中で見直すことで、その設計討議における合意形成過程の適正化に関する知見を明らかにするとともに、コミュニティ構築のためのプロジェクトマネジメント手法の開発を行う。
課題4:ラオスにおける都市・農山村開発と伝統的建造物保全に関する研究
東南アジアにおける都市化現象は、都市の社会的基盤を上回る労働人口の過剰流入によって居住環境が著しく悪化してきている。また農山村においても急速な社会的・経済的変化の中で、住生活・住空間も大きな転換期を迎えている。
その中でも社会主義からの政策転換からまだ間もない後発発展途上国であるラオス人民民主共和国において、顕在化しつつある社会現象を地域コミュニティ構築の観点から調査分析することで、住空間計画の実効性向上に資する要件を追求する。またそれとともに、長い間培われてきたラオスの特徴的住生活様式、伝統的建造物の保全に関する問題は、ラオスの古都ルアンプラパンがUNESCOの世界遺産に登録されたことなどからも、世界の注目を浴びており、多くの外国人観客や外国資本の流入とともに、伝統的建造物群や生活文化の保全に関する地域コミュニティの維持保全システムの研究が欠かせない。当研究部門ではこのような観点から発展途上国のコミュニティ構築の最適化に向けた研究を行う。
課題5:3次元形態の図表現と認知に関する研究
写真、動画、イラストといった図や画像(以下図像と略称)に対する加工が、パーソナル・コンピュータ、カラー・プリンター、ディジタル・カメラなどのハードウェアと画像処理ソフトウェアの普及により容易になり、3次元立体や空間に関する情報伝達のメディアとして、一般にも利用されるようになって来ている。しかし、図の表現法に対する理解を欠いたまま3次元立体や空間に関する図の加工がなされると、思いも寄らない誤りが図中に生じ、情報伝達が阻害される事態が生じることになる。身の回りの空間や立体を誤りなく図として表現し、表現された図から3次元の形態に関わる情報を誤りなく読み取るといった図に関するリテラシーは、加工された図が一般に流布する現代において、人々にとって欠くべからざる基礎知識であり、その能力育成はサイバーコミュニティにおける伝達の基盤を構成する上で、文字に関するリテラシー同様に重要であると共に、その知識の一般への普及の観点から教育制度への適用に関する研究が欠かせない。本研究部門では、こうした観点から、3次元形態の図表現と認知およびその教育への適用に関する研究を行う。
課題6:建築設計教育と設計課題設定に関する研究
地域コミュニティ構築の一翼を任う建築設計者の設計教育を取り巻く状況は、建築設計者資格の国際同等性の議論を契機に、建築分野におけるJABEE認証制度の開始や、建築学会による設計教育のあり方についての提言、実務的教育導入の問題など、これまでのわが国における建築設計教育に対する様々な議論がなされ始めている。1999年のUNESCO/UIAの総会で採択された建築設計者資格の国際的な推奨基準においては、「大学レベルにおける5年以上の教育」や「半分以上の時間をスタジオ教育に当てること」、「アクレディテーションの実施」、「実務教育の充実」などが見られ、これまでのわが国の建築教育の現状と整合しにくい要件が示されている。わが国の制度的構造の特徴は、建築士法においては設計製図に関する教育的な規定が明確には示されていないこと、大学においては設計よりもむしろ研究実績優先の教育が行なわれていることなどであり、今後、建築設計者資格の国際的同等性を主張する上でも設計教育のあり方が問われている。当研究部門はこれまで実施されてきた設計演習と座学による建築知識との総合化の方策や設計演習全体の体系化を研究していく。
課題7: ウェアラブルコンピューティングを実現するアクティブデータベースシステムに関する研究
携帯端末の小型化・軽量化に伴って、ユーザが計算機を身につけて持ち運び、場所にかかわらずに計算機を利用するウェアラブルコンピューティングに対する注目が高まっている。ウェアラブルコンピューティングはハンズフリー・常時オン・生活密着といった特徴をもち、GPSや磁気センサなど各種のデバイスを柔軟に組み合わせてユーザの生活をサポートするさまざまなサービスが要求されている。しかしこれまでのシステムでは、場所に応じて機能を動的に変更するといった柔軟性がなかったり、使用するデバイスが固定されているという問題があった。そこで、本研究ではアクティブデータベースの概念を用いることで機能のカスタマイズや各種デバイスの追加・変更を容易にするウェアラブルコンピューティングの基盤システムを構築する。提案システムにより、ウェアラブルコンピュータを活用したあらたなコミュニティの実現が期待できる。
課題8: ユビキタスコンピューティングを実現するイベント駆動型デバイスに関する研究
近年のマイクロエレクトロニクス技術の発展や、PDAや情報キオスクなどさまざまな形態のコンピュータの普及により、いつでもどこでもコンピュータにアクセスできるユビキタスコンピューティング環境に対する注目が高まっている。ユビキタスコンピューティング環境ではいたるところにコンピュータが存在し、コンピュータ同士またはコンピュータとユーザが持つ端末とが連携することでさまざまなサービスを提供する。しかし、現在提案されているシステムは互換性がなく、また専用端末であるために汎用性、コスト面での手軽さに問題を抱えている。そこで、本研究部門では安価に多用途で利用できる汎用ユビキタスコンピュータに関する研究を行っている。提案するユビキタスコンピュータはその動作をECAルールと呼ぶ動作記述言語で記述するため、ルールを入れ替えることでさまざまな用途に利用可能である。また小型・軽量であるため、いたるところに組み込まれるユビキタスコンピュータとしての手軽さ、低コスト性を実現している。
課題9: 情報フィルタリングの関数的性質に関する研究
広帯域放送サービスやモバイル環境におけるブロードバンドサービスが普及するにつれて、ユーザが受信する情報量は膨大になっている。そのような環境においては、ユーザが大量の受信情報から自分に必要な情報を取得するためには情報フィルタリングの技術が重要になる。これまでにもさまざまな情報フィルタリング手法が提案されてきたが、それぞれの手法を定性的に評価する枠組みが存在していなかった。そこで本研究では、情報フィルタリングを関数として表現し、フィルタリングの性質を関数が満たす条件として定義する。各性質間の関係や合成関数の性質を明らかにすることで、フィルタリングアルゴリズムを定性的に表現でき、フィルタリングシステムの性能比較や等価なフィルタリングアルゴリズムへの置換が可能になる。また、性質関係や合成関数の性質を用いて、フィルタリングシステムの処理の最適化や、複数のフィルタリングシステムを合成した場合の処理の等価性を評価できる。
4. 2003年度研究業績
4.1 SCS遠隔教育の企画と運用に関する研究
近年コンピュータ上で加工された図が一般に流布する一方、図法に対する理解が無いまま加工されることによる誤解が多く見られるようになってきている。このことは建築設計教育における学習障害のひとつとして図形化力や空間認知力の欠如があることなどと同様、正確な空間の認識や図に関するリテラシー教育が不可欠になってきていることを示している。これまで大阪大学、東京大学、北海道大学の3大学は、大阪大学をホスト校として、SCS(スペースコラボレーションシステム)を用いて共同講義「マルチメディア時代の図学」を一般の学生を対象に実施してきた。その内容はこれまで工学系で扱っていた図法幾何学を図に関するリテラシーという観点で初心者向けに構成したもので、遠隔地間の各大学における教官がその専門分野をそれぞれの大学の受講生に講義し、受講生が質問するといった双方向の講義形態をとっている。ただ、SCSに関わる問題としては、立体形状の把握に関しては、講義で立体を提示しても、受講生が見るのは2次元画像になるという問題があり、また画像と音声の双方向利用の限界と臨場感の欠如などが指摘されてきた。そのため受講生自身にSCSを使ってコラボレーションをさせることで双方向のもつ臨場感を体験させるとともに、大阪大学に設置したラピッドプロトタイピング装置を用いて、受講生が作った2次元画像上の3次元立体から実物の3次元立体モデルとして作成させるといった体験的授業の形式で実施することを試みた結果、SCSを使った授業は2000年度に実施した全学共通授業のアンケートの結果に比べて、受講生の取り組みや満足度に関して、良い結果が得られるとともに、学生の図形科学に関する成績が向上し、空間把握能力の増進に寄与したことを示唆する結果が得られた。
[関連発表論文]
(1) 吉田 勝行,阿部 浩和,“建築環境を利用した図形科学教育に関する遠隔地コラボレーションの試み,”日本建築学会建築教育委員会,第4回建築教育シンポジウム,pp.31-42,2004.1.24.
4.2 建築および建築群の形態構成に関する研究
建築形態構成は設計者が表現する言語と密接な関連があるとの認識に立ち、設計者の言語を「概念語」と「形態語」に分類し、建築形態構成に対する言語の役割と相互の関係性を示すとともに、基本計画過程と建物完成時期の言語表現相互の関係性、及び基本計画過程の言語と模型・平面図等の設計資料との時系列的変遷を分析することで、その反応関係は概念・形態連関表の対角線上に集中した分布となること、「概念語」と「形態語」は作品毎に独自の表現方法がなされること、設計者の言語は作品毎に独自の表現方法がなされ、建築の場所性、独自性、一品生産性ともよく符合し、設計とは本来作品毎にこうした独自性を有するものであることなどの結果を得、言語表現から図面表現への変換過程の解明に取り組み、建築形態構成の効果的推進に資する成果を得た。
[関連発表論文]
(1) 山内一晃,「建築の基本計画過程における言語要素の形態化に関する研究」、大阪大学博士課程学位論文2003. 12.
(2) 山内一晃,吉田勝行,“建築の基本計画過程における言語表現と図面表現の関連”,図学研究,第102号, 2003.12.
4.3 建築形態構成過程における建築主と設計者との合意形成の的確化に関する研究
建築物はその起案から設計、施工に至る具体化のプロセスにおいて、それが一定の期間を要するために、次第に現実化してくるという特徴があり、その初期の段階でその建物の内容が完全に明確化されているわけではなく、段階を経て次第にその詳細が明らかにされていき、それは施工段階まで継続していること、さらに建築主を取り巻く状況は常に変化しており、当初設定した与条件はその建築物の完成までの経緯の中で変化していることなどが、本研究における建築主と設計者の討議内容や施工段階での設計変更の経緯から伺える。このような状況において、少なくとも設計完了時には、その設計内容をもとに工事契約を締結するという意味おいて、その建物の内容が完全に明確化されている必要があるという、建築の生産構造上の矛盾があり、かつてRittelが指摘した「意地悪な問題」が含まれている。そこには、設計者を含む当事者が全く予想できない外的要因(天災や不測の事態)以外に、当事者間で処理できる要因があり、またその中には明らかに設計の初期段階や設計の前段階での与条件設定で決定できるものと、具体化のプロセスを通してしか決められないものが存在する。前者の課題についてはWilliam M. Penaをはじめとする、設計前段階での設計与条件の確立と建築主との合意形成の的確化のための方略が知られており、現在では建築プログラミングとして確立されているが、後者の課題に関しては設計者や施工者の問題として片付けられるだけで、建築主を含む合意形成における課題としてはあまり考えられてこなかったのが現状である。ここではこのような具体化のプロセスにおける建築主と設計者との合意形成について研究をすすめ、設計討議に見られる建築主と設計者の討議内容や討議時期の乖離の状況、設計討議の問題点の現象化としての施工段階における設計変更の傾向及びそれに至る経緯などを明らかにした。また、設計討議で用いられる設計図書の記載状況やその影響、設計図書の図的表現法における非専門家の把握特性などを明らかにすることで的確化のための基礎的要件を示した。
[関連発表論文]
(1) 阿部浩和,「建築形態構成過程における建築主と設計者との合意形成の的確化に関する研究」、大阪大学博士課程学位論文2003. 9.
(2) 阿部 浩和,吉田 勝行,“設計施工一貫方式による建設プロジェクトにおける施主側要求と元請設計側説明との乖離の現状,”
日本建築学会,日本建築学会計画系論文集,第570号,pp.49-56. 2003.8.
(3) 阿部 浩和,吉田 勝行,“建築プロジェクトにおける設計変更の傾向と設計図書に与える影響,”日本図学会,図学研究,第37巻2号,
pp.3-8,2003.6.
(4) 阿部 浩和,吉田 勝行,“建築設計図面における「書き込み不足」の現状と設計変更への影響,”2003年度日本図学会大会(関東)学術講演論文集,pp.93-98, 2003.5.
4.4 ラオスにおける都市・農山村開発と伝統的建造物保全に関する研究
多民族国家ラオスのヴィエンチャン市に現存する集合住宅の住まい方に対する調査、及び少数民族の代表であるモン族の住まい方に対する調査を行なうことで、ヴィエンチャン特別市に現存する集合住宅のアパート形式の平面型の平均面積は81.1㎡で、台所、便所・風呂、廊下等、居室、ベランダの平均面積は、それぞれ12.5㎡、5.6㎡、3.6㎡、47.0㎡、12.4㎡であり、台所の広さに関して不満を持っている反面、便所・風呂については約半数が現状でほぼ満足していることを明らかにした。また、集合住宅における各住戸の広間には、応接セット、食卓、及びTV等数多くの家具が置かれるものの、中央部に家具の置かれていない空きスペースが明確に見られること、ラオスで縁起が悪いとされることから棟に平行に就寝せず垂直に就寝する習慣について検証した結果、アパート形式の住戸では、棟に垂直に就寝する住戸が全体の45%で、長屋形式の70%に比して遵守する割合が低いこと、シェンクワン県、ヴィエンチャン県の2村において、ラオスに居住する数多くの少数民族のうち“白モン族”の住居について信仰にかかわりのある精霊の扉及び精霊の柱の有無を調査した結果、精霊の扉に関しては多くの住居に見られるものの、いずれの県においても生活変化の著しい村の方で精霊の柱が大幅に減少していることなどから、ラオスにおける都市型住居計画立案の基盤を構成するための要件を提示した。
[関連発表論文]
(1) PHONETHIP PATHANA,「ラオスにおける都市型住居計画の構成に関する研究」,大阪大学博士課程学位論文2004. 3.
ラオス及び同じテラワダ仏教を信仰するタイ中北部における寺院建築を取り上げ、そのブッタシマの形態を比較分析することで、「側面、前面での柱と壁の取り合い」や「側面の柱の断面形状」、「ホンクアン(奥行方向)の柱間の数」などの特性を求めると共に、それらを説明変数とすることにより、数量化II類を用いてラオスとタイ中北部の寺院建築を明確に判別できること、伝統的寺院建築のファサードを特徴づける屋根勾配の曲線形態は3地域で大きな差が見られず、Khaen Nangについてはその曲線形態が寺院毎に異なるところから、ラオスとタイ中北部の伝統的寺院建築の外観を識別する要素にならないことが明らかになった。また寺院建築のペディメントや出入口の扉に多く描かれている装飾モチーフに見られる特徴的な曲線形態の丸みをラウンドネスにより計測することで、ラオスのKarn Laiの内側における曲線は、タイに比べて丸みが大きいこと、Bark Laiに関する曲線は、その計測部分にかかわらずラオスとタイの間で大きな差は見られないこと、ラオスのNhord Laiの上側における曲線は、タイに比べて丸みが大きいことなどの結果を得、ラオスにおける伝統的寺院建築の形態を構成するための要件を提示した。
[関連発表論文]
(1) Soukanh Chithpanya,「ラオスにおける伝統的寺院建築の形態構成に関する研究」,大阪大学博士課程学位論文2004. 3.
(2) Soukanh Chithpanya, Junko Komoto, Abe Hirokazu, Yoshida Katsuyuki,“The
Composition of Decorative Art in Lao Traditional Monastic Architecture
(a Computational Geometry Approach) ,” International Society for Geometry
and Graphics, Journal for Geometry and Graphics, Volume 7, No. 2, pp.211-221,
2003.
近年の急速な社会的・経済的変化の中で、住生活・住空間も大きな転換期を迎えているラオス人民民主共和国において、ラオスの特徴的住生活様式と長い間培われてきた生活空間に対する考え方の変容を探ることで、現在は依然高床式住宅が主流であるものの、現地で“恒久的な住宅”と呼ばれるレンガ造あるいは高床式住宅を改修した住宅(1階部分がレンガ造で2階部分が木造)が増えつつあり、これは住民らの住宅スタイルに対する志向とも一致していること、ラオス農山村地域7村の住民によって描かれた村落現況図と将来図には、通常の図形幾何学的表現とは異なる表現例が見られる一方で、現況図については極めて現状に忠実に描いているケースが多く、それに対して将来図では特定の要素が大きく取り上げられる傾向が見られることなどの結果を得、ラオス農山村地域の住空間計画の実効性向上に資する要件を提示した。
[関連発表論文]
(1) 河本順子,「ラオス農山村地域の生活空間計画に関する研究」,大阪大学博士課程学位論文2004. 3.
(2) J. Komoto, K. Yoshida, S. Chikami ,“Characteristics of the Villagers'
Drawings on the Village Development in Lao P.D.R.,” International Society
for Geometry and Graphics, Journal for Geometry and Graphics, Volume 7,
No. 1, pp.75-87, 2003.
(3) 河本順子,吉田 勝行,“ラオス中部における農山村住宅の形態変遷,” 日本建築学会,日本建築学会計画系論文集,第577号,pp.89-96. 2003.8.
ルアンプラパンはラオスの旧都であり、ラオスの伝統文化の独自性を示す古くからの建造物が数多く残っている。その街並みは1995年にUNESCOの世界遺産に登録されている。またそれに伴いラオス政府はUNESCOの協力を得て、ルアンプラパンの歴史的遺産保存地区を指定するとともに、建築規則を設け、その保存事業に取り組んできている。しかしながら、現状ではこのような規則が十分に守られていないという報告もあるため、筆者らはUNESCOの調査に同行し、その調査結果を分析することで、規制の厳しいUa地区よりは、規制の緩いUb地区の違反が多いこと、違反建築の80%が住宅であること、また違反者へのアンケートを実施することで、違反者の大半が申請をしておらず、そのような規制があることを知らないケースが多いこと、建物の設計や施工は施主本人が行う場合が多いことなどの結果を得ている。
[関連発表論文]
(1) Sitthivan Somchith,河本 順子,阿部 浩和,吉田 勝行,“ラオス・ルアンプラバーン市歴史的遺産保存地域における保存の規制と違反建物に関する研究,”
2003年度日本建築学会(中部)学術講演論文集F-1分冊,pp.145-146, 2003.9
4.5 3次元形態の図表現と認知に関する研究
大学で実施されている図に関する教育によって、建築形態に関する空間認知能力にどの程度の向上がみられるかについて明らかにするため、住宅の平面図と透視図を用いた客観テストを作成し、その教育を受ける前と受けた後の建築学科の学生に適用することで建築学科1年生(193名)と3年生(164名)の、空間認識能力の計測をおこなった。その結果、両問題とも1年生より3年生の方が向上していること、これは1年生で受講した図に関する教育で向上し、それがそのまま維持されているのか、あるいは2年生で受講した図に関する教育で向上しているのかは明らかではないものの、図形問題、図面問題ともその成績が向上していること、1年生の図学では2DCADを用い、造形演習ではスケッチなど、基礎製図では建築図面の手書きと模型製作、2年生の設計製図では、手書きによるものであり、これらの教育の相乗効果であると考えられる結果を得ている。
[関連発表論文]
(1) 知花弘吉,阿部 浩和,吉田 勝行,“図形及び建築図面に対する建築学科学生の空間認知能力,”日本建築学会建築教育委員会,第4回建築教育シンポジウム,pp.43-54,2004.1.24.
(2) 吉田 勝行,阿部 浩和,“ExcelによるCGと光造形を組み込んだ図学教育,”第31回図学教育研究会,研究発表資料, 2003.5.
4.6 建築設計教育と設計課題設定に関する研究
現在、わが国の建築教育における設計教育は主に設計演習(設計製図)という形で実施されている場合が多い。その内容は各学校において様々であるが、一般的には建物の設計条件を示して、実際に建築の設計図面を作成させる演習を行なっている。また具体的な演習事例としては、設計プロセスを具体的に指定して実施した事例や、ケースメソッドによる事例、実際の建設プロジェクトの設計前段階に参画させ、クライアントとの討議を試みた事例、WWWを使ったコラボレーションの事例なども報告されているが、いずれも先駆的な事例であり、継続的な実施が難しいものも見られ、それらによって構成される設計教育の体系としての全体像はあまり具体的に把握されているわけではない。
ここでは設計演習の一般的な事例を具体的に分析することで、設計課題の内容は、住宅、共同住宅、公共施設など学生にとっては比較的身近な施設が選定されており、1クラス当たりの学生数の平均は学年が上がるにつれて減少する傾向があること、学生は建築の基礎的知識は十分学習しているにもかかわらず、それを自分が設計した建物に、どのように適用するかを習得するには至っていない傾向が見られること、また 設計課題に対する学生の取り組みには、特異解を競う傾向があり、与えられた条件にしたがって得られる一般解の検討をおろそかにする傾向があることなどの結果を得た。
[関連発表論文]
(1) 阿部 浩和,吉田 勝行,“建築系学部学生の設計課題設定に関する一考察,”日本建築学会建築教育委員会,第4回建築教育シンポジウム,pp.55-66,2004.1.24.
4.7 ウェアラブルコンピューティングを実現するアクティブデータベースシステムに関する研究
近年、マイクロエレクトロニクス技術の発展による計算機の小型化・軽量化に伴って、ウェアラブルコンピューティングに対する注目が高まっている。ウェアラブルコンピューティングとは、計算機をユーザが常に身に付けて持ち運ぶコンピューティングの一形態であり、従来の計算機の利用形態と比較して次の3つの特徴をもつ(図-2)。
- ハンズフリー:コンピュータを身体に装着しているため、常に両手が使用できる。
- 生活密着:常にコンピュータを装着した状態で、日常生活を行う。
- 常時オン:コンピュータは常に電源が入っており、使いたいときにすぐに使える。
ウェアラブルコンピュータはハンズフリーで利用できるため、ユーザは他の作業を行いながら、マニュアルなど各種の情報を閲覧できる。また、計算機の電源が常に入っているため、ユーザが計算機を利用していないときにも情報を収集することが可能となる。さらに、計算機はユーザとともに移動するため、現在位置に関する情報を取得しながらナビゲーションを行ったり、ユーザが会社にいる間はプライベートなメールの受信を停止するといったサービスが提供できる。
ウェアラブルコンピューティング環境では、ユーザは常に個人用端末を携帯して行動するため、目的によって機器やシステムを取り替えるのではなく、場所や目的に応じて端末の機能を柔軟に変更できることが望ましい。そこで本研究では、ウェアラブルコンピューティング環境において、各種センサやデバイスの状態を処理し、様々なサービスを提供するための基盤システム「A-WEAR」に関する研究を行っている。A-WEARは、各種の入力を処理するルールによって、ウェアラブルコンピューティング環境における様々なサービスを提供する。また、プラグインメカニズムを用いることで動的なシステム拡張を実現している。これまで、基本的なシステム設計およびプロトタイプの実装を行ってきたが、本年度はA-WEARの実用化に向けての取り組みおよびルールベースのシステムを安全に運用するための枠組みに関する検討を行った。
実用化に向けての取り組みとしては、A-WEARのさまざまな応用システムを開発し、実際に利用することで実証データの収集およびシステムの有効性の確認を行った。具体的には、バイクのピット作業をサポートするシステムをA-WEAR上に実装し、2003年8月に行われた鈴鹿8時間耐久ロードレースで実際に使用した(図-3、図-4)。このシステムはヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display: HMD)上に、チームに所属する選手の周回情報や順位、ライバルとの位置関係などをリアルタイムで提示し、さらにピットインが必要なタイミングを指示するといった機能をもつ。また、司会進行をサポートするシステムをA-WEAR上に実装し、2003年9月に行われたWPC EXPOにおけるイベント「ウェアラブルコンピューティングショウ」にて実際に利用した(図-5)。このシステムは、司会進行を行う人にHMDを装着させ、HMD上に台本内容や各種の指示を提示することで司会進行をサポートするシステムである。そのほかにも、イベント駆動型メールシステムAware-Mail、農作業支援システムCyferGear、イベント駆動型BGM再生システムなど多数のアプリケーションを作成し、実際に利用した。

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| 図-2 ウェアラブルコンピュータ |
図-3 ピットサポートシステムの画面 |
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| 図-4 ピットサポートシステムを利用している様子 |
このようにシステムを実際に運用するに当たっては、システムの異常動作の検出やセキュリティなど、安全性に関する検討が重要となる。そこで本年度は、アプリケーションを構成するルール群が無限ループなどの異常動作を起こさないようにするための枠組みである動的トリガグラフ構築機構や、ウェアラブルコンピューティング環境においてユーザの状況に応じて動的にアクセス権限を変更するSBAC (Situation Based Access Control) に関する研究を行った。動的トリガグラフ構築機構では、ルールの実行関係を有向グラフで表現することで、システム内にあるルール群の安全性を評価する仕組みである。また、SBACは、アプリケーションを構成するルールそれぞれがもつ役割に応じてアクセス権限を定め、ユーザの移動などの状況変化に応じてアクセス権限を変更することで、悪意のある外部アクセスからプライベートなデータを守りつつ、場所に応じたさまざまなサービスを受けることが可能となる。
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| 図-5 司会進行サポートシステムを利用している様子 |
[関連発表論文]
(1) 加下雅一,寺田 努,原 隆浩,塚本昌彦,西尾章治郎,“データベース放送システムのためのサーバと移動型クライアントによる協調型問合せ処理方式,”
情報処理学会論文誌:データベース,Vol. 44,No. SIG8(TOD18),pp.92--104
(June 2003).
(2) Tsutomu TERADA, Masahiko TSUKAMOTO, Shojiro NISHIO, “Dynamic Construction
Mechanism of a Trigger Graph on Active Databases in Mobile Computing Environments,”
Proc. of 14th International Workshop on Database and Expert Systems Applications
(DEXA 2003), pp.936--941 (Sep. 2003).
(3) Naoki MIURA, Masakazu MIYAMAE, Tsutomu TERADA, Masahiko TSUKAMOTO, Shojiro NISHIO, “Aware-Mail: an Event-driven Mail System for Wearable Computing Environments,” Proc. of 4th International Workchop on Smart Appliances and Wearable Computing (IWSAWC 2004) (Mar. 2004, to appear).
(4) 寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“ウェアラブル生活を豊かにするルールベース環境音楽システム,”
情報処理学会シンポジウムシリーズ マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2003)論文集,pp.89--392
(June 2003).
(5) 寺田 努,塚本昌彦,宮前雅一,西尾章治郎,“ウェアラブル環境のためのルールベースBGMプレーヤについて,”
日本ソフトウェア科学会第11回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2003)論文集,pp.25--30
(Dec. 2003).
(6) 宮前雅一,寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“ウェアラブルコンピューティングのための状況依存アクセス制御機構について,”
電気情報通信学会第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004)論文集 (Mar. 2004).
(7) 寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“アクティブデータベースを用いた放送型データ処理システムについて,” 情報処理学会研究報告(放送コンピューティング研究グループ 2003-BCCgr-5), Vol. 2003, No. BCCgr-5, pp.41--48 (July 2003).
(8) 宮前雅一,寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“ウェアラブルコンピューティング環境におけるイベント駆動型サービスの開発支援環境,”
第2回情報科学技術フォーラム(FIT2003)論文集第4分冊, pp.69--70 (Sep. 2003).
4.8 ユビキタスコンピューティングを実現するイベント駆動型コンピュータに関する研究
あらゆる物にコンピュータが埋め込まれ、それぞれが互いに通信しあいながら多様なサービスを提供するユビキタスコンピューティング環境に対する注目が高まっている。我々は、このようなユビキタスコンピューティング環境を実現するため、ルールベースの小型コンピュータであるユビキタスチップを提案している。ユビキタスチップはその動作をECAルールと呼ぶ動作記述言語で記述するため、ルールを入れ替えることでさまざまな用途に利用可能である。また、機能をできるだけシンプルに抑えることで小型化・軽量化・低コスト化を実現している。
これまではユビキタスチップの基本設計およびプロトタイプデバイスの開発を行ってきたが、本年度はプロトタイプデバイスの改良およびユビキタスチップを用いたユビキタスシステムの提案を行った。ユビキタスチップを用いることで、センサを組み込んだユビキタス環境が簡単に構築でき、新しいサービスが多数提供されるようになる。
[関連発表論文]
(1) 早川敬介,塚本昌彦,寺田 努,義久智樹,岸野泰恵,柏谷 篤,坂根 裕,西尾章治郎,“ユビキタスコンピューティングのためのルールに基づく入出力制御デバイス,”
ヒューマンインタフェース学会論文誌,Vol. 5,No. 3, pp.341--354 (Aug. 2003).
(2) Tsutomu TERADA, Masahiko TSUKAMOTO, Tomoki YOSHIHISA, Yasue KISHINO, Shojiro NISHIO, Keisuke HAYAKAWA, and Atsushi KASHITANI, “A Rule-based I/O Control Device for Ubiquitous Computing,” Adjunct Proc. of 15th International Comference on Ubiquitous Computing (UbiComp 2003) Poster Session, pp.213--214 (Oct. 2003).
(3) Tsutomu TERADA, Masahiko TSUKAMOTO, Keisuke HAYAKAWA, Tomoki YOSHIHISA,
Yasue KISHINO, Shojiro NISHIO, and Atsushi KASHITANI, “Ubiquitous Chip:
a Rule-based I/O Control Device for Ubiquitous Computing,” Proc. of 2nd
International Comference on Pervasive Computing (Pervasive 2004) (Apr.
2004, to appear).
(4) 岸野泰恵, 塚本昌彦, 寺田 努, 西尾章治郎,“ビジュアルマーカとイベント駆動型小型デバイスによるユビキタス環境の構築について,” 電気情報通信学会第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004)論文集 (Mar. 2004).
(5) 早川敬介,塚本昌彦,寺田 努,義久智樹,岸野泰恵,柏谷 篤,西尾章治郎,“イベント駆動型のユビキタスシステムへのアプローチ,”
第2回情報科学技術フォーラム(FIT2003)論文集第4分冊, pp.247--248 (Sep. 2003).
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| 図-6 ユビキタスチップの外観 |
4.9 情報フィルタリングの関数的性質に関する研究
近年、衛星放送やデータ放送の普及により、放送されるコンテンツの種類や量が加速度的に増加している。大量のデータが受信される環境では、ユーザが必要とするデータを探し出すことは非常に困難であるため、自動的に必要なデータのみを抽出するフィルタリング技術に対する要求が高まっている。このような要求に対し、これまで多数のフィルタリング手法が提案されているが、それらの手法を定性的に評価する枠組みは未だ確立されていない。そこで本研究では、フィルタリングを関数として定義し、さまざまなフィルタリング手法の性質を関数が満たす条件として表現する。各性質を表現する制約条件の包含関係を示すことで、フィルタリングがもつ性質の関係を明らかにする。本研究で提案する体系をもとに、実際のフィルタリングシステムを分類し、満たす性質に応じた処理方法を適用することで、より効率的なフィルタリングシステムを実現できる。
[関連発表論文]
(1) 澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“フィルタリング関数の和積について,”
情報処理学会論文誌:データベース, Vol. 44, No. SIG12(TOD19), pp.86--97
(Sep. 2003).
(2) 小寺拓也,澤井里枝,寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“数学的性質を利用した処理方法最適化機構をもつ情報フィルタリングシステム,”
日本データベース学会レターズ(DBSJ Letters), Vol. 2, No. 2, pp.53--56 (Oct.
2003).
(3) Rie SAWAI, Masahiko TSUKAMOTO, Tsutomu TERADA, and Shojiro NISHIO, “Composition Order of Filtering Functions for Information Filtering,” Proc. of the 1st International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking (ICMU 2004), pp.166--171 (Jan. 2004).
(4) Rie SAWAI, Masahiko TSUKAMOTO, Tsutomu TERADA, and Shojiro NISHIO,
“Union and Intersection of Filtering Functions for Information Filtering,”
Proc. of the 10th International Conference on Databese Systems for Advanced
Applications (DASFAA 2004) (Mar. 2004, to appear).
(5) 澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“フィルタリングSQLにおけるフィルタリングの合成と和積について,”
電気情報通信学会第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004)論文集 (Mar. 2004).
(6) 澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“セレクション関数とランキング関数の和積について,”
情報処理学会研究報告(放送コンピューティング研究グループ 2003-BCCgr-5),
Vol. 2003, No. BCCgr-5, pp.33--40 (July 2003).
(7) 澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“情報フィルタリングのためのユーザ要求記述言語FilteringSQLについて,”
情報処理学会研究報告(データベースシステム研究会 2003-DBS-131(1)), Vol.
2003, No. 71, pp.451--458 (July 2003).
(8) 小寺拓也,澤井里枝,寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“数学的性質を利用した処理方法最適化機構をもつ情報フィルタリングシステム,” 情報処理学会研究報告(データベースシステム研究会 2003-DBS-131(1)), Vol. 2003, No. 71, pp.459--466 (July 2003).
(9) 澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“フィルタリングSQLにおけるランキングについて,”
情報処理学会研究報告(放送コンピューティング研究グループ 2003-BCCgr-5),
Vol. 2004, No. BCCgr-7, pp.72--79 (Jan. 2004).
5. 社会貢献に関する業績
5.1 教育面における社会貢献
5.1.1 学外活動
近年早急な国際化への対応が求められているものの、一般教育を取り巻く状況にさえ未だ多くの困難を抱えている発展途上国においては、高等教育機関における教育基準を国際基準に準拠するまでにその質を向上させるという課題に自助努力によってのみ取り組むことは容易ではない。ラオス人民民主共和国で1996年に新設されたNational
University of Lao P.D.R.の建築学科においては、建築高等教育の一環として初めて研究活動に取り組むことを始めているが、しかし現地には経験豊富な教師陣が欠けていることからその進度は遅く、外的な支援を要請せざるを得ない状況にある。本部門では、これまでラオスの建築・都市空間に関する研究を継続的に実施してきたことから、ラオス国立大学より同大学関連部局の教師陣及び学生らに対する教育支援を要請され、現地での講演や資料提供、研究助言などによる人材育成の支援を行っている。
またラオスの古都ルアンプラバンは、近年UNESCO世界遺産に指定されており、数多くの寺院建築、ラオス固有の伝統的住宅やコロニアル風住宅など、建築的・文化的に貴重な建造物が保存されているばかりではなく、中心市街地は歴史的遺産保存地区として都市計画的に多くの規制を設けて旧建造物との調和を図ろうとしている。これらは重要な観光資源として地域の経済に大きく貢献しているものの、一方では、これら整備計画は官主導であるために情報公開や住民参加を促すための工夫が乏しく、例えば違法建築などは数多く報告されており、そのような問題が同地区の維持管理に大きな障害となりつつある状況である。
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| 図-7 ルアンプラパンに於けるセミナー風景 |
そのため、ルアンプラバン県情報・文化局や建設・都市計画局などでは住民参加や啓蒙普及などの手法を取り入れた歴史的遺産保全の方法を模索しているが、現状の人材/人員と機材状況ではその打開策を図るのは困難であることから、県情報・文化局から①伝統的建造物保存地区整備事業の事例紹介とラオスにおける適用に向けた提案、②住民参加型まちづくり手法の事例紹介とラオスにおける適用に向けた提案、③3次元グラフィックスとシュミレーションによる住民啓発活動への応用、④3次元グラフィックス制作に関する専門家派遣による技術指導などの要請があり、現地にて住民参加や啓蒙普及に関するセミナーを開催した。
[講演発表]
(1) 吉田勝行,「日本における景観保存に関する取り組み」,ルアンプラパン県文化事務所主催,2004.2.2.
(2) 阿部浩和,「建築プロジェクトとサスティナブルデザイン」、ラオス国立大学主催、2004.1.27.
(3) 阿部浩和,「京都の伝統的建造物保全活動と地球環境問題」,ルアンプラパン県文化事務所主催,2004.2.3.
5.1.2 研究部門公開
2003年4月29日の銀杏祭、および11月2日の大学祭において、図学CAD教室(全学共通教育機構B棟3F)の外部公開を行った。午後1時から4時の間、パネル展示コーナーとCAD装置に実際に触れて演習や立体視を体験できるコーナーを開設した。
5.2 学会活動
5.2.1 国内学会における活動
国内では、日本図学会顧問として、学会の運営に貢献している。また、日本建築学会建築教育委員会委員および教育と資格制度小委員会委員長として、国際的な建築家資格の基礎となる建築設計教育の在り方に関する検討に参画している(吉田)。
日本図学会理事および日本建築学会建築教育委員会教育と資格制度小委員会委員として、会の運営に貢献している(阿部)。
情報処理学会ユビキタスコンピューティングシステム研究会、放送コンピューティング研究グループおよび日本バーチャルリアリティ学会エンタテインメントVR研究委員会の運営委員を務める。これらの研究グループはいずれも創設されて数年以下の新しい研究分野を対象としており、日本の情報科学領域における新しい分野の研究活動を推進している。その他、マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2003)シンポジウムプログラム委員、データ工学ワークショップ2004実行委員、およびエンタテインメントコンピューティング2004実行委員を務める(寺田)。
5.2.2 論文誌編集
該当なし
5.2.3 国際会議への参画
The 4th International Workshop on Smart Appliances and Wearable Computing (IWSAWC 2004)のプログラム委員およびPoster Session Co-chairを務め、開催に貢献した。(寺田)
5.2.4 学会における招待講演・パネル
寺田 努,“ウェアラブルコンピュータを活用したプレゼンテーション手法,” 電気情報通信学会第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004) 特別セッション(招待講演) 2004. 3
5.2.5 招待論文
該当なし
学会表彰
寺田 努,情報処理学会 マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2003)シンポジウム,優秀デモンストレーション賞 2003. 6.
寺田 努,情報処理学会 マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2003)シンポジウム,最優秀プレゼンテーション賞 2003. 6.
寺田 努,情報処理学会 マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2003)シンポジウム,優秀論文賞 2003. 6.
5.3 産学連携
5.3.1 企業との共同研究
寺田努,ユビキタス情報基盤,平成15年4月1日~平成16年3月31日,日本電気株式会社 インターネットシステム研究所との連携ラボ。
5.3.2 学外での講演
寺田 努,“ユビキタス社会とウエラブルコンピューター(第一部),” 大阪YMCA 2003. 8
寺田 努,“8耐でも活躍したウェアラブルエンジンA-wearについて,” 大阪産業創造館 服コンピュータラボ 可能性広がるウェアラブルコンピュータ!in鈴鹿8時間耐久レース 2003. 9.
5.3.3 特許
該当なし
5.4 プロジェクト活動
寺田 努,ISO/TC211コントリビューター 2003年2月~.
寺田 努,データベース振興センター 平成15年度情報経済基盤整備(gコンテンツ流通基盤整備事業)サービス・モデル検討ワーキンググループ 委員 2003年12月~2004年3月.
寺田 努,データベース振興センター 平成15年度情報経済基盤整備(gコンテ
5.5 その他の活動
該当なし
5.5.1 競争的資金の獲得
寺田 努(研究代表者),“情報フィルタリングの数学的基盤の確立,” 科学技術振興調整費任期付研究者支援,12,025千円。
寺田 努(研究分担者),“大規模な仮想空間システムを構築する放送型サイバースペースに関する研究,” 日本学術振興会科学研究費補助金 基盤(B),5,000千円。
5.5.2 大阪大学全学委員会委員
先端科学技術共同研究センター運営委員
キャンパス計画委員会委員
(以上、吉田)。
5.5.3 他大学非常勤講師
関西大学「建築CAD演習」工学部建築学科
摂南大学「建築形態論」大学院工学研究科建築学専攻(以上、吉田)。
2003年度研究発表論文一覧
著書
該当なし
学術論文誌
阿部 浩和,吉田 勝行,“図学実習課題と体験的授業,”,図学研究,第37巻1号, pp3-8, Mar. 2003.
阿部 浩和,吉田 勝行,“建築プロジェクトにおける設計変更の傾向と設計図書に与える影響,” 日本図学会,図学研究,第37巻2号, pp3-8,2003.6.
阿部 浩和,吉田 勝行,“設計施工一貫方式による建設プロジェクトにおける施主側要求と元請設計側説明との乖離の現状,” 日本建築学会,日本建築学会計画系論文集,第570号,pp.49-56. 2003.8.
Soukanh Chithpanya, Junko Komoto, Abe Hirokazu, Yoshida Katsuyuki,“The
Composition of Decorative Art in Lao Traditional Monastic Architecture
(a Computational Geometry Approach) ,” International Society for Geometry
and Graphics, Journal for Geometry and Graphics, Volume 7, No. 2, pp.211-221,
2003.
阿部 浩和,吉田 勝行,“建築系学部学生の設計課題設定に関する一考察,”
日本建築学会建築教育委員会,第4回建築教育シンポジウム,pp.55-66,2004.1.24
知花弘吉,阿部 浩和,吉田 勝行,“図形及び建築図面に対する建築学科学生の空間認知能力,”日本建築学会建築教育委員会,第4回建築教育シンポジウム,pp.43-54,2004.1.24.
吉田 勝行,阿部 浩和,“建築環境を利用した図形科学教育に関する遠隔地コラボレーションの試み,”
日本建築学会建築教育委員会,第4回建築教育シンポジウム,pp.31-42,2004.1.24.
J. Komoto, K. Yoshida, S. Chikami ,“Characteristics of the Villagers'
Drawings on the Village Development in Lao P.D.R.,” International Society
for Geometry and Graphics, Journal for Geometry and Graphics, Volume 7,
No. 1, pp.75-87, 2003.
山内一晃,吉田勝行,“建築の基本計画過程における言語表現と図面表現の関連,”図学研究,第102号, Dec. 2003.
河本順子,吉田勝行, Somchith SITTHIVAN, “ラオス中部における農山村住宅の形態変遷”, 日本建築学会計画系論文集, Mar. 2004.
パタナ ポンティップ,スーカン チッパン二ヤー, 河本順子,阿部浩和,吉田勝行,“ラオス人学生を対象にしたMCT (Mental Cutting Test)と学業成績の関連,”図学研究, Mar. 2004.
加下雅一,寺田 努,原 隆浩,塚本昌彦,西尾章治郎,“データベース放送システムのためのサーバと移動型クライアントによる協調型問合せ処理方式,” 情報処理学会論文誌:データベース,Vol. 44,No. SIG8(TOD18),pp.92--104 (June 2003).
早川敬介,塚本昌彦,寺田 努,義久智樹,岸野泰恵,柏谷 篤,坂根 裕,西尾章治郎,“ユビキタスコンピューティングのためのルールに基づく入出力制御デバイス,”
ヒューマンインタフェース学会論文誌,Vol. 5,No. 3, pp.341--354 (Aug. 2003).
澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“フィルタリング関数の和積について,”
情報処理学会論文誌:データベース, Vol. 44, No. SIG12(TOD19), pp.86--97
(Sep. 2003).
小寺拓也,澤井里枝,寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“数学的性質を利用した処理方法最適化機構をもつ情報フィルタリングシステム,”
日本データベース学会レターズ(DBSJ Letters), Vol. 2, No. 2, pp.53--56 (Oct.
2003).
国際会議会議録
Tsutomu TERADA, Masahiko TSUKAMOTO, Shojiro NISHIO, “Dynamic Construction Mechanism of a Trigger Graph on Active Databases in Mobile Computing Environments,” Proc. of 14th International Workshop on Database and Expert Systems Applications (DEXA 2003), pp.936--941 (Sep. 2003).
Tsutomu TERADA, Masahiko TSUKAMOTO, Tomoki YOSHIHISA, Yasue KISHINO, Shojiro NISHIO, Keisuke HAYAKAWA, and Atsushi KASHITANI, “A Rule-based I/O Control Device for Ubiquitous Computing,” Adjunct Proc. of 15th International Comference on Ubiquitous Computing (UbiComp 2003) Poster Session, pp.213--214 (Oct. 2003).
Rie SAWAI, Masahiko TSUKAMOTO, Tsutomu TERADA, and Shojiro NISHIO, “Composition
Order of Filtering Functions for Information Filtering,” Proc. of the
1st International Conference on Mobile Computing and Ubiquitous Networking
(ICMU 2004), pp.166--171 (Jan. 2004).
Naoki MIURA, Masakazu MIYAMAE, Tsutomu TERADA, Masahiko TSUKAMOTO, Shojiro NISHIO, “Aware-Mail: an Event-driven Mail System for Wearable Computing Environments,” Proc. of 4th International Workchop on Smart Appliances and Wearable Computing (IWSAWC 2004) (Mar. 2004, to appear).
Rie SAWAI, Masahiko TSUKAMOTO, Tsutomu TERADA, and Shojiro NISHIO, “Union and Intersection of Filtering Functions for Information Filtering,” Proc. of the 10th International Conference on Databese Systems for Advanced Applications (DASFAA 2004) (Mar. 2004, to appear).
Tsutomu TERADA, Masahiko TSUKAMOTO, Keisuke HAYAKAWA, Tomoki YOSHIHISA, Yasue KISHINO, Shojiro NISHIO, and Atsushi KASHITANI, “Ubiquitous Chip: a Rule-based I/O Control Device for Ubiquitous Computing,” Proc. of 2nd International Comference on Pervasive Computing (Pervasive 2004) (Apr. 2004, to appear).
口頭発表(国内研究会など)
阿部 浩和,吉田 勝行,“建築設計図面における「書き込み不足」の現状と設計変更への影響,”2003年度日本図学会大会(関東)学術講演論文集,pp.93-98,
2003.5.
吉田 勝行,阿部 浩和,“ExcelによるCGと光造形を組み込んだ図学教育,”第31回図学教育研究会,研究発表資料, 2003.5.
Sitthivan Somchith,河本 順子,阿部 浩和,吉田 勝行,“ラオス・ルアンプラバーン市歴史的遺産保存地域における保存の規制と違反建物に関する研究,”
2003年度日本建築学会(中部)学術講演論文集F-1分冊,pp.145-146, 2003.9.
河本順子,吉田 勝行,“ラオス中部における農山村住宅の形態と住宅に関する住民意識,”
2003年度日本建築学会(中部)学術講演論文集E-2分冊,pp.515-516, 2003.9.
寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“ウェアラブル生活を豊かにするルールベース環境音楽システム,” 情報処理学会シンポジウムシリーズ マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム(DICOMO2003)論文集,pp.389--392 (June 2003).
寺田 努,塚本昌彦,宮前雅一,西尾章治郎,“ウェアラブル環境のためのルールベースBGMプレーヤについて,”
日本ソフトウェア科学会第11回インタラクティブシステムとソフトウェアに関するワークショップ(WISS2003)論文集,pp.25--30
(Dec. 2003).
澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“フィルタリングSQLにおけるフィルタリングの合成と和積について,” 電気情報通信学会第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004)論文集 (Mar. 2004).
宮前雅一,寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“ウェアラブルコンピューティングのための状況依存アクセス制御機構について,” 電気情報通信学会第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004)論文集 (Mar. 2004).
岸野泰恵, 塚本昌彦, 寺田 努, 西尾章治郎,“ビジュアルマーカとイベント駆動型小型デバイスによるユビキタス環境の構築について,” 電気情報通信学会第15回データ工学ワークショップ(DEWS2004)論文集 (Mar. 2004).
寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“アクティブデータベースを用いた放送型データ処理システムについて,”
情報処理学会研究報告(放送コンピューティング研究グループ 2003-BCCgr-5),
Vol. 2003, No. BCCgr-5, pp.41--48 (July 2003).
澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“セレクション関数とランキング関数の和積について,”
情報処理学会研究報告(放送コンピューティング研究グループ 2003-BCCgr-5),
Vol. 2003, No. BCCgr-5, pp.33--40 (July 2003).
澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“情報フィルタリングのためのユーザ要求記述言語FilteringSQLについて,”
情報処理学会研究報告(データベースシステム研究会 2003-DBS-131(1)), Vol.
2003, No. 71, pp.451--458 (July 2003).
小寺拓也,澤井里枝,寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“数学的性質を利用した処理方法最適化機構をもつ情報フィルタリングシステム,” 情報処理学会研究報告(データベースシステム研究会 2003-DBS-131(1)), Vol. 2003, No. 71, pp.459--466 (July 2003).
早川敬介,塚本昌彦,寺田 努,義久智樹,岸野泰恵,柏谷 篤,西尾章治郎,“イベント駆動型のユビキタスシステムへのアプローチ,”
第2回情報科学技術フォーラム(FIT2003)論文集第4分冊, pp.247--248 (Sep. 2003).
宮前雅一,寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,“ウェアラブルコンピューティング環境におけるイベント駆動型サービスの開発支援環境,”
第2回情報科学技術フォーラム(FIT2003)論文集第4分冊, pp.69--70 (Sep. 2003).
澤井里枝,塚本昌彦,寺田 努,西尾章治郎,“フィルタリングSQLにおけるランキングについて,” 情報処理学会研究報告(放送コンピューティング研究グループ 2003-BCCgr-5), Vol. 2004, No. BCCgr-7, pp.72--79 (Jan. 2003).
解説・その他
寺田 努,“UbiComp2003 参加報告,” 日本バーチャルリアリティ学会誌, Vol. 9, No. 1 (to appear).
2003年度特別研究報告・修士論文・博士論文
博士論文
(1) 阿部浩和,「建築形態構成過程における建築主と設計者との合意形成の的確化に関する研究」September 2003.
(2)山内一晃,「建築の基本計画過程における言語要素の形態化に関する研究」December 2003.
河本順子,「ラオス農山村地域の生活空間計画に関する研究」February 2004.
(3) CHITHPANYA SOUKANH,「ラオスにおける伝統的寺院建築の形態構成に関する研究」February
2004.
(4) PHONETHIP PATHANA,「ラオスにおける都市型住居計画の構成に関する研究」February 2004.
修士論文
(1) NOUN VIRANEATH,「カンボジア人の空間形状意識に関する研究卒業研究報告」大阪大学大学院工学研究科建築工学専攻2003年度修士論文, February 2003.
卒業研究論文
(1) 田口ゆか,「住民意識から見た都市景観の構成に関する研究 ―姫路市を事例として―」 大阪大学工学部建築工学科2003年度卒業論文, February 2003.
作品
(1) 全学共通教育機構発行 広報誌 「共通教育だより」 NO.23,24,25,号各表紙構成
(2) 全学共通教育機構発行「体験的課題追求型授業構築プロジェクト報告書」 表紙構成
(3) サイバーメディアセンター発行 「年報」 2003年度表紙構成
(4) サイバーメディアセンター発行 「サイバーメディアフォーラム」 NO.4 表紙構成
(5) 全学共通教育機構発行 広報誌 「共通教育だより」 NO.23,24,25号各表紙構成
(以上吉田・阿部・寺田)