センター報告
サイバーメディアセンター豊中教育研究棟(新棟)について
1.はじめに
サイバーメディアセンターが平成12年4月に設置されて以来、念願であった教育研究棟が、豊中キャンパス基礎工学部の北側に現在建設中であり、平成14年秋頃に8階建(地下1階、地上7階)の新棟(サイバーメディアセンター豊中教育研究棟)が竣工する予定です。この新棟には、現在手狭となっている情報教育用およびマルチメディア言語教育用の教室が1階から4階に、サイバーメディアセンターの7研究部門のうち建物がなかったために各部局に間借りしている5つの研究部門のための研究ゾーンが5階から7階に設置されます。また、現在豊中データステーションに置かれているODINSの基幹ネットワーク設備も、この新棟に移設される予定です。
現在、豊中キャンパスでは、情報教育システムの端末が設置された教室が豊中教育実習棟に4教室、豊中データステーションに1教室、合わせて5つの教室が設置されていますが、端末台数の不足が大きな問題となっていました。また、マルチメディア言語教育用計算機システム(CALLシステム)の端末は、現在は共通教育A棟に2教室ありますが、これはLL教室を借りる形で設置しているものであり、新たな設置場所が必要でした。
新棟では、情報教育システムの端末が置かれる情報教育教室が5教室、CALLシステム端末が設置されるCALL教室が3教室設置されます。また、20名程度の少人数教育のためのセミナー室が2室設置されます。さらに、学生や教職員が自分のパソコンを持ち込んでインターネットを利用できるようにするために、情報コンセントが設置されます。
また新棟完成後には、現在の豊中教育実習棟の教室に、情報教育システムとCALLシステムの端末、及び情報コンセントを設置し、学生が朝から晩まで自由に端末を利用して自習ができる環境を整備する予定です。

豊中教育研究棟 完成予想図
2.各階の詳細
[地下1階]
地下1階には、ODINSネットワーク室および計算機室が設置されます。
ODINSネットワーク室には、現在豊中データステーションに設置されているODINS基幹ネットワーク設備を移設し設置します。計算機室には、ODINSネットワーク監視端末や、情報教育システム、CALLシステム用のサーバ装置、ネットワーク装置などを設置します。
[1階~4階]
1階から4階には、情報教育システムやCALLシステムの端末が設置される教室やセミナー室が配置されます。各教室の収容人数は、情報教育第1教室から第5教室までそれぞれ60名、70名、60名、40名、70名、CALL第1教室から第3教室までそれぞれ100名、65名、65名とする予定です。また、情報教育セミナー室にも20~30台の端末を設置し、少人数での教育に利用します。
その他、1階には事務室と指導員室が配置されます。指導員室では、SA (Student Advisor)と呼ばれるボランティア学生が、利用者からの質問に答えます。2階には、講師準備室が配置され、授業を担当する教官が授業準備を行う部屋として使用します。
また、各階にはオープンなスペースとしてフリーメディアスペースが配置されます。1階のフリーメディアスペースは各種の展示を行うスペースとして、2階から4階のフリーメディアスペースは情報コンセントや端末を設置し、学生が自由にメールやWebなどの情報にアクセスできる環境を提供する予定です。

[5階~7階]
5階から7階には主に情報メディア教育研究部門、マルチメディア言語教育研究部門、大規模計算科学研究部門、コンピュータ実験科学研究部門、先端ネットワーク環境研究部門の5つの研究部門の教官室ならびに研究ゾーン、セミナー室が配置されます。また、7階には各種会議や小規模な研究会を行うための会議室、および、SCSに関する実験、検証等を行うためのSCS専用室が設置されます。

3.おわりに
ここでは、今年の秋頃に竣工予定のサイバーメディアセンター豊中教育研究棟の概要を説明しました。この新棟の完成により、学生の情報アクセス環境が確実に充実するものと考えています。また、これまで各部局に間借りしていた5つの研究部門がようやく一つの建物内で研究を推進できるようになり、研究部門間の連携によって大阪大学のIT基盤をますます充実させる環境が整うことと思います。さらに、隣接する附属図書館や各部局と連携していくことによって、この新棟を大阪大学の情報拠点として発展させていく所存です。