業務及び研究の報告
サイバーコミュニティー研究部門
Cybercommunity Division
1.部門スタッフ
教授 吉田勝行
略歴: 1964 年3 月大阪大学工学部構築工学科卒業、同年4 月大阪府立大学助手工学部経営工学科、1966年12月大阪大学助手工学部建築工学科、1970年10月大阪大学講師教養部図学科、1986年8月同助教授、1994
年3月同教授、1994年4月大阪大学教授工学部建築工学科、1998 年4 月大阪
大学教授大学院工学研究科建築工学専攻、2000 年4月大阪大学教授サイバーメディアセンターサイバーコミュニティ研究部門。日本図学会、日本建築学会、ISGG、人工知能学会、日本ディスタンスラーニング学会、日本工学教育協会各会員。
助手 寺田 努
略歴: 1997 年3月大阪大学工学部情報システム工学科卒業。1999 年3 月大阪大学大学院工学研究科情報システム工学専攻博士前期課程修了。2000
年6 月大阪大学大学院工学研究科情報システム工学専攻博士後期課程退学。2000
年6 月大阪大学助手サイバーメディアセンターサイバーコミュニティ研究部門。情報処理学会、電子情報通信学会各会員。
2.研究概要: 高度情報化技術に支援されるコミュニティ形態の構成
パーソナル・コンピューターと、それらを相互に結ぶ高速LAN の普及は、カラープリンタ、およびディジタルカメラ等の普及と相俟って、文字のみならず、画像、動画、音声等マルチメディアの複製を自在に生成し不特定多数に安価に配信出来る環境を、社会一般に提供する体制を整えつつある。これは、活版印刷の技術により、文字による文書の不特定多数に対する複製配布が容易となった結果,文字文書の大量使用を前提に社会運営がなされるようになり、それに見合う形で教育制度も整えられて行くといった、過去の大変革に匹敵するようなインパクトが、再び社会にもたらされる可能性があることを意味している。本研究部門は,こうした状況下における高度情報化技術に支援されるコミュニティ形態の構成について考究し、サイバーコミュニティのあり得る姿を解き明かして行くことを研究目的とする。そうした目的を達成するため、本研究部門では、現在以下の研究課題に取り組んでいる。
課題1: SCS 遠隔教育の企画と運用
SCS は、Space Collaboration System の略で、通信衛星を利用して大学間を結ぶ先進的な情報通信ネットワークの名称である。わが国の高等教育を、来るべきマルチメディア社会に対応できるように整備して行く計画の一環として設置されることになり、平成8年10月から試験運用が開始され、さらにその結果を踏まえ、平成9
年4 月からは本格運用が始められている。
このシステムの端末が設置された講義室をVSAT(Very Small Aperture Terminal)局と呼ぶが、VSAT
局間では互いに映像や音声を双方向にリアルタイムで交換できるので、複数のそうした局どうしを結んで講義や研究会、会議を行うといった使い方が可能である。筆者らは、平成8
年度第2 学期以降、SCS を利用して、北海道大学、東京大学、名古屋大学,大阪大学を相互に接続し、阪大と名大,ないし北大の学生を対象に一般図形科学を内容とする講義を実施して来ている。こうした経験をふまえ,SCSや高速LANを特性に従って組み合わせて使用した遠隔教育および遠隔研修システムのモデルとそれに見合うコースウェアを構築拡張することを、サイバーコミュニティ計画推進の核として行く。
課題2: 建築形態の構成に関する研究
ひと纏まりのコミュニティを収容する建物ないし建物群の形態は、設計条件を念頭に置きつつ構成した初期形態を手がかりに、多様な要求が満たされているかどうかを多角的にチェックしては形態を練り直す過程を繰り返す中で見出されてゆく。こうした過程の積み重ねは、従来図面と模型を用いて行われるのが通例であるが、計算機システムの発達により、CAD、および3D-CG、シミュレーション等が実用の域に達し、またその結果をLAN
等を介して容易に交換できるため、それらを統合した効率のよい建築設計の形態が求められている。本研究部門では、現実の建築設計過程をシステムとして捉え直すべく詳細に解析すると共に、それを元に高度情報化技術に支援される建築設計過程の構成を考究する。
課題3: 3 次元形態の図表現と認知に関する研究
写真、動画、イラストといった図や画像(以下図像と略称)に対する加工が、パーソナル・コンピュータ,カラー・プリンター、ディジタル・カメラなどのハードウェアと画像処理ソフトウェアの普及により容易になり、3
次元立体や空間に関する情報伝達のメディアとして、一般にも利用されるようになって来ている。しかし、図の表現法に対する理解を欠いたまま3次元立体や空間に関する図の加工がなされると、思いも寄らない誤りが図中に生じ、情報伝達が阻害される事態が生じることになる。
身の回りの空間や立体を誤りなく図として表現し、表現された図から3次元の形態に関わる情報を誤りなく読み取る図に関するリテラシーは、加工された図が一般に流布する現代において、人々にとって欠くべからざる基礎知識であり、その能力育成はサイバーコミュニティにおける伝達の基盤を構成する上で、文字に関するリテラシー同様に重要である。本研究部門では,こうした観点から、3
次元形態の図表現と認知に関する研究を行う。
課題4: 位置依存サービス提供のためのアクティブデータベースシステムに関する研究
無線通信や計算機ハードウェア技術の急速な発展に伴って、一般のユーザは携帯電話やPDAなどの携帯端末を持ち歩くようになりつつあり、屋外でそれらを用いた様々なサービスが受けたいという要求が発生する。しかし、提供されるべきサービスは、場所によって大きく異なり、場所に応じて動的にサービスを切り替えてその場に応じたサービスを提供する移動体の位置管理やデータ交換等の枠組みが必要となる。そこで、本研究部門ではデータベース技術の1つであるアクティブデータベースを用いて,モバイル環境におけるデータ管理基盤を構築する研究を行う。
3.研究成果と今後の展望
3.1 SCS 遠隔教育の企画と運用に関する研究
本年度は、全学共通教育機構特別科目「マルチメディア時代の図学」(第Ⅰセメスター月曜5
限2単位)を、北海道大学(VSAT 局北海道大学3)及び東京大学(VSAT 局東京大学3)と結んで、図形に対する操作を通して図的に表現すると共に、表現された結果からその本質を認識することを目指す講義(1.SCS
と図形科学の世界、2.3次元形態の表現、3.見取り図の読み方、4.立体の見取り図作成、5.透視図上の光と影、6.2次元幾何学の源流、7.錯視の科学、8.正投象の技法と切断、9.相貫体の作成、10.ホームページの図形科学、11.正多面体の構成、12.4次元空間の軸測尺、13.4
次元超立方体の作図)を演習を交えて実施し、大阪大学側では文,人,法,経,理,医,工,基各学部の1~3
年次よりなる受講申請者66 名中52 名の単位を認定した。なお、北海道大学側は受講生16
名で、全員の単位を認定し、東京大学は、教官のみの参加である。
今回3 波モード(3 局のVSAT 局間を同時に双方向で結ぶモード)を採用することにより、講義をする立場からは、以前の2
波モードの際学生の反応を見るのに常にどの大学の受講生であるかをモニター画面上で確かめるために僅かではあるが何程かの時間が必要となり、そのため講義が途切れる感じがしたが,今回はスムーズに講義を進めることが出来たとの評価を得、3
局が常時双方向でつながっていることの遠隔教育における利点を確認し得た。

なお,SCS による講義は、学生の反応をTV カメラで写してモニター画面を介して講義を実施する側に伝えるため、室内を暗くすることが出来ず、講義内容が伝えられるメインの画面を液晶プロジェクターによる120 インチ画面にすると、光量不足で画面が薄くなるため、受講生は天吊りのCRT モニターに頼りがちで、受講の際の姿勢が崩れるなどの問題点は残っており、今後講義室設備の改造が必要である。
次年度は,このSCSによる3大学間のみならず、同時に学内LANのODINSを用いて大阪大学の吹田地区を結び、吹田地区でも全学共通教育を受講できる体制の一端を整える予定である。
3.2 建築形態の構成に関する研究
現実の建築設計過程をシステムとして捉え直すべく解析する手始めとして、「店舗(百貨店、スーパーマーケット、ショッピングセンター、専門店街、飲食店舗、一般店舗、遊興飲食店舗等)」、「教育・研究施設(幼稚園、小・中学校、高等学校、大学、各種学校、職業訓練所、研究所、図書館、博物館、美術館、水族館、研究所等)」、および「事務施設(事務所ビル、官公庁庁舎、銀行、証券会社、保険会社、計算センター、新聞社、出版社、テレビ局、ラジオ局等)」の基本計画段階を対象に、建物の完成時期と相前後して設計者自身が表した「設計の特色」なる文章をテキストとして、建築形態の構成に対する設計者の考え方を表す「設計の言葉」と建物の空間形態を表す「建築の形」との関連を分析することにより,以下の結果を得ている。
「設計の言葉」を縦に、「建築の形」を横並べ、互いの関連の有無を1、ないし0で表す反応マトリックスを構成すると、「店舗」では1
が対角線を軸とした幅の狭い範囲に集中して出現し、「教育施設」では対角線の周りにひろく拡がって出現するのに対し、「事務施設」では1
の出現の拡がり方は、両施設の中間となる。
「店舗」12例分における出現語数は「設計の言葉」が724 語,「建築の形」が144
語で、出現回数1回の語が「設計の言葉」で79.6%(576語)、「建築の形」が76.1%(110語)であり、また1作品にしか登場しない語が「設計の言葉」で85.5%(619
語)、「建築の形」が83.3%(120 語)と圧倒的に多く、この傾向は「教育施設」や「事務施設」でも同様である。
「設計の言葉」の内90語、「建築の形」の内10語が「店舗」、「教育施設」、および「事務施設」の3
用途に共通に出現し、1 用途にしか出現しない語は、各用途共同様の傾向で、「設計の言葉」で約67%、「建築の形」で約80%を占めている。
「設計の言葉」は、「建築の形」と関連なしに出現する語が33.3%を占め、その内出現回数1
回の語が90.0%であるが、「建築の形」は、「設計の言葉」との関連なしに出現することはない。
以上より、建築形態の構成過程において、設計者は一種のキーワードとしての「言葉」を念頭に置き、建築用途に固有の「形」を思考の対象にし、他の作品と異なる個別性の高さを目指して設計を進めていると見なすことが出来、特に店舗においては、作品毎に「設計の言葉」と「建築の形」との結びつきがきわめて強く、「教育施設」においては「設計の言葉」と「建築の形」の関連に作品間でかなりの共通性が見られ、「事務施設」ではその関係が「店舗」と「教育施設」の中間である。このことは、建築形態構成を支援するデータ・ベースとして、言葉と形の関連を蓄積したデータ・ベースのみならず、「言葉」を蓄積したデータ・ベースが有用であることを意味している。
[関連発表論文]
- Kazuaki Yamauchi, Katsuyuki Yoshida, “Relationship between Words and Shapes
in Determining the Form of Building” Proceedings of the Ninth International
Conference Geometry and Graphics, pp.399-404, Jul.2000.
また、建築形態の構成に関する理論構築には、建築設計についての実践活動の積み重ねによる経験の蓄積が欠かせない。今年度については、平成12
年度補正予算により、サイバーメディアセンター豊中新棟7240 ㎡の建設が決定し、その基本計画立案に携わる機会を得ている。当該建物は、教官研究室のみならず情報処理教育用講義室、CALL
教室、会議室、事務室など多種の部屋が収容される複合用途の建物で、使用形態が多様であるほか,学内環境保全の観点から、敷地予定地に現存の樹木伐採を避けるよう要請があり、それらを総合的に満たす建築形態の構成が求められている。

筆者らは、南側壁面を凹ませて樹木を巻き込む外形とすることで伐採をさけ、それによる内部空間の東西分断を逆用して東西各ブロック毎に機能を取り纏める方法により基本計画を構成し、提案し得たことから、検討ツールとして用いた3D-CG の有効性が検証出来ている。また、別途開発した避難シミュレーションシステムを当新棟2F~5F の教室部分に適用して、避難完了時間7.4 分を得ることで、西側階段の避難性能を明らかにしている。
[関連発表論文]
- 安福 健祐,山内 一晃,吉田 勝行,“メッシュ表現による避難シミュレーションシステムの開発と地下空間浸水時の避難に対する適用性,”平成12
年度日本建築学会近畿支部研究報告集,pp.229--232(June 2000).
以上、ひと纏まりのコミュニティを納めるハードとしての建築形態の構成に対する計算機システムや高速LAN
の適用性に関する研究を、建築設計過程の研究活動を通して検証して行くことを、サイバーコミュニティ研究推進の1つの核として位置付けて行く。
3.3 3次元形態の図表現と認知に関する研究
被験者に建物の一部を撮影した写真と平面図を提示し、図上で写真のアングルがどの位置からどの方向を向いているかを問う建築平面図読図テストPIT
を開発し、874人の被験者に適用した結果を分析し、外部空間の識別が内部空間の識別に比較して難しい、2層以上の吹き抜けを持つ空間の識別が単層からなる室内空間の識別に比較して難しい等の他、PIT
設問部の写真をカラー化することで正答率が高くなる傾向にある、設問部の写真および平面図から家具を消すことで正答率が数%と有意に低くなる、PIT
設問部の平面図について、ミリタリー投象のような平面図の上下の重なりを意識させる表現方法で表示したり、断面図のような垂直方向の情報を付け加えて表示しても外部空間の識別や2
層以上の吹き抜け空間の識別が容易にならない等を明らかにしている。このことは、建築空間のように被験者を取り巻くような大きな3次元形態の認知について、家具等そうした空間内に配置されている比較的小さな3
次元形態が手がかりを提供していること示しており、認知しやすい空間形態を構成する上で留意すべき事項であることを意味している。
[関連発表論文]
- 阿部浩和, 吉田勝行, “PIT による建築平面の表現法と空間把握の度合いについての評価,
” 図学研究, Vol.34, No4, pp.3-8(Dec.2000).
ラオス山村で焼畑を営む村民に村落の現状および将来像についての描画を依頼し、得られた44例を分析して、図学的知識や理論に殆ど囚われないまま自由に描かれる図的表現には、同時に視認することが不可能な四周の壁面の内の3面を2 次元的に納めて描く3 面表現や、画面の上部は北向きで画面の下部は南向きに描く2 方角表現、建物群を複数の視点から見たように倒して描く複視点表現等、通常の図学的図法に納めきれない表現があり、子供の描画の発達過程で見られると報告されている表現と似ているものの、図的な歪みが少ない表現になっていることを明らかにしている。
被験者は,初等教育を受けるのが困難であった地域に居住している人々であり、文字による情報伝達も現在容易な訳でない。情報通信技術の発達により、マルチメディアによる情報伝達がこれらの人々にも極く近い将来に可能となることは明らかであるが、上記の結果は、3次元形態に係る情報について、特有の表現特性を考慮することで、図的表現により的確に伝達出来る可能性があることを示唆しており、ディジタルデバイド解消に関する研究ついての端緒の一例を示している。
[関連発表論文]
- 河本順子, 吉田勝行, “ラオス山村住民の生活空間描写に見られる図的表現特性,”図学研究,
Vol.34, No4, pp.3-8 (Dec.2000)
3.4 位置依存サービス提供のためのアクティブデータベースシステムに関する研究
3.4.1 アクティブデータベースを用いた地理情報システム
近年、GPS 機器や携帯端末の普及により、屋外で自分の位置を基点とした地理情報システムを利用したいという要求が高まっている。屋外で、情報サーバが無線を用いて地理情報を発信していれば、地理情報システムではそのような受信情報を端末の地図情報と統合し、ユーザに高度なサービスを提供できる。本研究では、アクティブデータベースを用いた地理情報システムActiveGISを構築している。ActiveGISは、ユーザの移動やオブジェクトへの接近といった位置関係の変化をイベントとして検出し、規定された処理を行なうシステムである。アプリケーションの動作はECA(Event-Condition-Action)ルールと呼ばれるアクティブデータベースの動作記述言語を用いて記述される。ECAルールを用いることで、商店街に入ったときに自動的に特売情報を取得したり、本屋に近づいたときに自動的に探している本がないかどうかを調べるような位置依存アプリケーションが、容易に構築できる。
アプリケーションの機能はすべてECA ルールで実現されているため、機能の追加・削除やカスタマイズが容易である。また、ActiveGISはECAルールを送受信する機能を備えているため、ユーザは個人用の端末を持ち歩き、場所に応じたECAルールを受信して位置依存のサービスを受けることができる。
[関連発表論文]
- 寺田努,塚本昌彦,西尾章治郎,”アクティブデータベースを用いた地理情報システム,”
情報処理学会論文誌,Vol. 41,No. 11,pp. 3103-3113 (Nov. 2000).
- 寺田努,塚本昌彦,西尾章治郎,”放送型データ受信のためのアクティブデータベースの設計と実装,”
電子情報通信学会論文誌,Vol. J83-D-I, No. 12,pp. 1272--1283(Dec. 2000).
- 寺田努, 村瀬亨, 塚本昌彦, 西尾章治郎,“Active GIS: アクティブモーバイルデータ
ベースを用いた地理情報システム,'' 電気情報通信学会第11 回データ工学ワークショップ(DEWS2000)論文集(CD-ROM) (Mar.2000).
- 寺田努,塚本昌彦,西尾章治郎,”G-XMLをサポートするアクティブデータベースシス
テム,” 情報処理学会研究報告(モバイルコンピューティングとワイヤレス通信研究会2000-MBL-14),Vol.
2000,No. 87,pp.123--130 (Sep. 2000).
3.4.2 モバイル環境におけるアクティブデータベースの異常動作検出機構
アクティブデータベースの動作言語であるECAルールは、記述能力が高く、連鎖的に実行させることで複雑な処理が記述できる一方、予期しない異常動作を起こす可能性がある。そこで、本研究テーマでは、モバイル環境でのアクティブデータベースの安全性を高めるため、ECA
ルールの連鎖実行の検出や、連鎖回数のチェックなどを行ない、異常動作を発生前に検出する機構の構築を行なっている。
[関連発表論文]
- 寺田努,塚本昌彦,西尾章治郎,”移動体計算環境におけるアクティブデータベースの動的トリガグラフ構築手法,”
情報処理学会研究報告(データベースシステム研究会2000-DBS-122),Vol. 2000,No.
69,pp.191--198 (July 2000).
4.2000 年度研究成果要覧
4.1 学会などに対する貢献
国内では、日本図学会会長として、年各1回開催の大会(平成12年5月 於いわき明星大学)、および本部例会(平成12年11月 於筑波技術短期大学)、年11回開催の理事会等の会務を総理し、日本図学会の運営に貢献している。また、日本建築学会建築教育委員会教育と資格制度小委員会委員として、国際的な建築家資格の基礎となる建築教育の在り方に関する検討に参画している他、文部科学省大学共同利用機関メディア教育開発センターSCS事業連絡協議会調整基準の策定に関する専門部会の主査を務め、SCSの第1次利用申込に対する調整法の改正案策定に参画している。
国際的には、9th International Conference on Geometry and Graphics (July
2000, Rand Afrikaans Univ., Johannesburg, South Africa)の組織委員会委員を務め、運営に貢献した他、年2冊刊行のJournal
for Geometry and Graphics の編集委員会委員を務め、発刊に貢献している。また、2001年7月に大阪(ホテル大阪ガーデンパレス)で開催される第5回日中図学教育研究国際会議の日本側組織委員会委員長として、開催業務を総覧している。(吉田)
4.2 招待講演・招待論文
該当なし
4.2.1 招待講演・パネル
- 吉田勝行,“図的表現ツールの進化と表現上の誤りの増加について,”日本学術会議シンポジウム「21世紀の多様性社会における基礎学力とは―「総合化」の波の中で―」,March
2001.
4.2.2 招待論文
該当なし
4.2.3 学会表彰
該当なし
5.2000 年度研究発表論文一覧
5.1 著書
該当なし
5.2 学術論文誌
- 寺田努,塚本昌彦,西尾章治郎,”アクティブデータベースを用いた地理情報システム,''
情報処理学会論文誌,Vol. 41,No. 11,pp. 3103-3113 (Nov. 2000).
- 寺田努,塚本昌彦,西尾章治郎,”放送型データ受信のためのアクティブデータベースの設計と実装,''
電子情報通信学会論文誌(Dec. 2000).
- 河本順子, 吉田勝行, “ラオス山村住民の生活空間描写に見られる図的表現特性,”図学研究,
Vol.34, No4, pp.3-8 (Dec.2000).
- 阿部浩和, 吉田勝行, “PIT による建築平面の表現法と空間把握の度合いについての評価,
” 図学研究, Vol.34, No4, pp.3-8(Dec.2000)
5.3 国際会議会議録
- Kazuaki Yamauchi, Katsuyuki Yoshida,“Relationship between Words and Shapes
in Determining the Form of Building” Proceedings of the Ninth International
Conference Geometry and Graphics, pp.399-404,Jul.2000.
5.4 口頭発表(国内研究会など)
- 寺田努, 村瀬亨, 塚本昌彦, 西尾章治郎,“Active GIS: アクティブモーバイルデータベースを用いた地理情報システム,”
電気情報通信学会第11 回データ工学ワークショップ(DEWS2000)論文集(CD-ROM)
(Mar.2000).
- 澤井里枝, 寺田努, 塚本昌彦, 西尾章治郎, “フィルタリングSQL: フィルタリングのためのユーザ要求記述言語,”
電気情報通信学会第11 回データ工学ワークショップ(DEWS2000) 論文集(CD-ROM)
(Mar.2000).
- 寺田努,塚本昌彦,西尾章治郎,”ActiveKaraoke: アクティブデータベースを用いたカラオケの背景作成システム,”情報処理学会研究報告(音楽情報科学研究会2000-MUS-34),Vol.
2000,No. 19,pp. 73--78(Feb. 2000).
- 安福 健祐,山内 一晃,吉田 勝行,“メッシュ表現による避難シミュレーションシステムの開発と地下空間浸水時の避難に対する適用性,”平成12
年度日本建築学会近畿支部研究報告集,pp.229--232 (June2000).
- 寺田 努,塚本昌彦,西尾章治郎,”移動体計算環境におけるアクティブデータベースの動的トリガグラフ構築手法,”
情報処理学会研究報告(データベースシステム研究会2000-DBS-122),Vol. 2000,No.
69,pp.191--198 (July 2000)
- 寺田努,塚本昌彦,西尾章治郎,”G-XML をサポートするアクティブデータベースシステム,”情報処理学会研究報告(モバイルコンピューティングとワイヤレス通信研究会2000-MBL-14),Vol.
2000,No. 87,pp. 123--130 (Sep. 2000)
5.5 2000年度特別研究報告・修士論文・博士論文
博士論文
該当なし
修士論文
- 安福健祐, “メッシュモデルによる避難シミュレーションシステムの開発と地下空間浸水時の避難に対する適用性,”大阪大学工学研究科建築工学専攻修士論文,
February2001.
- Jinuntuya Pinyo, “タイの高層建築の避難計画に関する研究,”大阪大学工学研究科建築工学専攻修士論文,
February 2001.
- Chithpanya Soukanh, “ラオス寺院建築におけるブッタシマの平面形態の構成に関する研究,”大阪大学工学研究科建築工学専攻修士論文,
February 2001.
- Phonethip Pathana, “ラオスにおける白モン族の 住居形態の構成に関する研究,”大阪大学工学研究科建築工学専攻修士論文,February
2001.
- 今村正登, “自然歩行状態における動歩行の研究,”大阪大学工学研究科建築工学専攻修士論文,
February 2001.
卒業研究報告
該当なし